【特集】 驚愕的中国旅行術  
2007.10.09
成田 勝
 
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人民大会堂のツアー料理は無国籍風だ

人民大会堂と天安門広場
 

 中国へ中国料理を食べに行ったが不味かった。日本の中国料理のほうがずっと美味い、という声をよく聞く。ほとんどの話しはパックツアーでの食事だ。昼はツアー専用のレストランで、夕食はインテリアの立派なホテルやレストランで食事をするのが定番だ。
 数年前に知人の団体から、北京ツアーの記念に人民大会堂で夕食するからと招かれたことがある。めずらしいので出かけてみた。立派な部屋に歓迎の幕が掲げられ、食卓にはすでに料理が並んでいたが、食パンとナイフとフォークがあり、誰にでも向くような万国式メニューであった。人民大会堂で食べるという期待感がしぼんでしまったせいか、食事の不味さがいっそうきわだった。
 あまりのことに、北京の旅行社の社長に文句をいったところが、パックツアーの食事代は中国旅遊局が低価格の標準を設けている。これで美味い食事を期待されたら困る。人民大会堂へ払った食事代が安すぎたのだろう、と言った。現在の標準を確認したところ1食6$程度。これでは美味い夕食は期待できない。
 最近のパックツァーにはグルメや美食を売り物にし、名店での食事コースが登場している。さらに選べるディナーなどといったものや、追加料金でレストランのグレードアップが可能なものまでいろいろある。本物の食事を期待するならば、それなりに対策を考えることが必要だ。

 

 北京のMから電話があって、8年ほど前に私たちと食事をした「q家菜」で勤務先が重要なお客を接待した。一人前1800元(約2万9千円)で、食事の内容も、部屋も同じところだったと興奮気味だった。q家菜は什刹海の胡同にある四合院を利用し、生活そのままの空間でコース料理を出した最初の店だ。客は2組しかとれない小さな店で、めずらしさと味、ともに北京では最高と外国人たちの評判を呼んだ。、日本の雑誌でも料理評論家が絶賛していた。
 私たちは一人前800元のコースを選んだ。前菜からはじまって、ふかひれ、あわび、燕の巣など20品前後が供された。料理は新派中国料理ともいえるあっさりとした仕上がりで、油っぽい中華のイメージはなかった。料理に合わせてか、飲み物はビールとフランスワインだけ、中国人の大好きな白酒は置いてなかった。このときの勘定は一人前1万5千円にもなった。

 同じ胡同の近くに京劇の名優梅蘭芳をテーマにした「梅府家宴」が開店した。パンフレットを見る限り、四合院を豪華にリニューアルしている。食事の合間に京劇のさわりを演じ、雰囲気を盛上げる。やはりコース料理のみで一人前300元から3000元(4万8千円)となっており、白酒は出さないと書かれていた。
 北海公園池畔の宮廷料理の老舗「ほう膳飯荘」は環境が素晴しい。人気のある東城区胡同街の「格格府」やい和園近くの「白家大宅門食府」は共にショーアップした演出が過剰で、肝心の食事は満足感がなかった。値ごろ感のない食事に、二度行きたいとは思わない。

 
 

 北京の老朋友羅さんの“餃子”は仲間うちでは有名だ。餃子だけではなく料理に一家言あり包丁も握る。20年前に北京の1Kの自宅でご馳走になっていらい、北京へ行くたびに自宅の食事に招いてくれる。奥さんはめったにいない専業主婦で料理が上手だ。中国は基本的に共稼ぎで、家事は夫婦が分担するが、台所は主に男の仕事だ。女性の結婚条件の一つに男は料理が上手いことをあげている。
  本人はプロ棋士で公務員のため、地位が上がるたびに社宅が広くなった。定年退職のときの身分は日本式にいえば本庁の課長クラスで、5軒めの3LDKの住宅を持ち家制度で安価に購入した。

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羅家の夕食お客は三人

お得意の水餃子。酢と自家製のラー油で食べる
 
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羅さんとプロの助演者たち

 羅さんの趣味は京劇で、全国のど自慢の京劇の部で優勝している。とにかく収入の大半を京劇に使つぎ込んでいる。年金の他に雑誌などに小文を書いていて金銭的には恵まれているようだ。
  京劇にはカラオケが少ないので、胡弓の伴奏がないと練習にならない。毎週土曜日の午後から自宅のリビングで、京劇仲間が集まって稽古をする。稽古が終わると羅家が夕食をご馳走する。

 
 
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