北京のMから電話があって、8年ほど前に私たちと食事をした「q家菜」で勤務先が重要なお客を接待した。一人前1800元(約2万9千円)で、食事の内容も、部屋も同じところだったと興奮気味だった。q家菜は什刹海の胡同にある四合院を利用し、生活そのままの空間でコース料理を出した最初の店だ。客は2組しかとれない小さな店で、めずらしさと味、ともに北京では最高と外国人たちの評判を呼んだ。、日本の雑誌でも料理評論家が絶賛していた。
私たちは一人前800元のコースを選んだ。前菜からはじまって、ふかひれ、あわび、燕の巣など20品前後が供された。料理は新派中国料理ともいえるあっさりとした仕上がりで、油っぽい中華のイメージはなかった。料理に合わせてか、飲み物はビールとフランスワインだけ、中国人の大好きな白酒は置いてなかった。このときの勘定は一人前1万5千円にもなった。
同じ胡同の近くに京劇の名優梅蘭芳をテーマにした「梅府家宴」が開店した。パンフレットを見る限り、四合院を豪華にリニューアルしている。食事の合間に京劇のさわりを演じ、雰囲気を盛上げる。やはりコース料理のみで一人前300元から3000元(4万8千円)となっており、白酒は出さないと書かれていた。
北海公園池畔の宮廷料理の老舗「ほう膳飯荘」は環境が素晴しい。人気のある東城区胡同街の「格格府」やい和園近くの「白家大宅門食府」は共にショーアップした演出が過剰で、肝心の食事は満足感がなかった。値ごろ感のない食事に、二度行きたいとは思わない。 |