そら飛ぶ庭
   

介護日記
 
2013.10.15 

Diary of Country Life
Nursing of My Parents

父、満百歳になる

五輪とリニア新幹線

我が食生活

大島  一洋 

しゅうめい菊
ほおずき

■東京五輪
 
 2020年に東京五輪が決まったが、自分は不安でならない。それは福島原発の放射能垂れ流し問題だ。記者会見で安倍晋三首相は嘘をついた。放射能はコントロールされていない。新聞、週刊誌の現場報道を見れば明らかだ。
 海に漏れた放射能は、やがてアメリカの西海岸、南アメリカの海岸、オーストラリア、フィリピンなどへ海流に乗ってまき散らされる。世界の漁民たちが一斉に賠償請求を、国際裁判所にし始めたら、日本は破綻する。五輪どころではない。
 東電を国有化し、徹底した放射能漏出防止に取り組むべきだ。浮かれている場合ではなかろう。儲かるのは一部の企業だけだ。

サルビア
防災訓練

■リニア新幹線

  リニア新幹線の岐阜県駅が中津川市に決まったため、この町の名前が有名になった。すでに土地の買い上げが決まって、いきなり億満長者になりそうな人が出ている。羨ましい話だが、どうせ自分が生きているうちには開通しないから、乗ることはない。
 ただ、工事が始まると、中津川と隣の恵那の市街地は大変だろう。業者が繁華街を闊歩し、地元の馴染みの店が荒れる。店は繁盛するが、喧嘩などの狼藉が多発するだろう。
 静かな街でフーゾク店もないから、女性の夜のウオーキングは危ない。昔、恵那山トンネルの工事の際もいろんな事件が起きていた。

ほととぎす
夏水仙

■市から百歳の祝い

 9月13日、市役所の人がきて、父の百歳の祝い品を置いていった。安倍晋三首相の表彰状と市長の賞状と銀の杯。寸志はなし。この町は経済的に苦しいから、以前は出ていたお祝い金が中止になったらしい。市役所の人は名刺も持っていない。
 父に見せると「俺は百歳か?」と聞いた。とぼけているのかと思ったら、マジだった。つまり、9月25日が誕生日だという記憶はあるが、今が9月であることがわからない。新聞もテレビも見ないのだから仕方ない。

彼岸花
紫式部

■密林状態

 家の周囲が密林状態である。畑の草刈りや溝さらいは自分で出来るが、崖の草刈りや樹木の剪定は、いつもの馬島さんに頼んでいる。忙しい時期だから、頼んでもなかなか来てくれない。9月半ばになってやっと来てくれた。2日かかったが、これで庭はOK.

百日草

紅葉葵


■敬老の日

 9月16日。台風18号が近づいて、午前中豪雨。テレビを見ると、京都の桂川が氾濫している。
 午前11時、小雨になりかけたので、14区クラブへ。「敬老の日を祝う会」に出席。56人参加だそうだ。弁当の昼食、カラオケ、ビンゴと賑やか。驚いたのは、自分はお茶を飲んでいるのに、80歳の人達が、昼間から日本酒、ビールなどをがんがん飲んでいる。午後2時終了。台風一過で晴れてきた。

敬老の日を祝う会

■墓掃除


 9月19日、彼岸入りの前日、打越の墓掃除に行く。草はドクダミが生えているくらいで、たいしたことはない。落葉をごみ袋に詰め、墓石を雑巾で拭き、花を活け、線香をあげた。
約30分で終わる。

掃除したお墓
コスモス

■カレーライス

 暑いせいか、夕食はカレーばかり食べている。といっても自分で作るわけではなく、レトルトを買ってきて、お湯で温めてごはんにかけるだけ。だが、このレトルトの種類が多いのだ。安いのは88円。高いのは500円と10種以上ある。例えば、「飛騨のビーフカレー」は578円。「牡蠣カレー」は458円。「道場六三郎のまかないカレー」は198円だ。その日の気分でビーフにしたり野菜にしたりする。簡単でけっこううまいが、問題はカロリーが高いこと。200カロリー以上のものを続けて食べると摂取し過ぎになる。栄養成分表をみて、カロリー200以下のものを選んでいる。
 現在、一日2食。朝はしっかり食べる。納豆卵かけごはん、煮物(かぼちゃ、里芋、レンコン、ごぼうなど)、野菜サラダ、味のり、果物(キウイ、りんご、オレンジなど)、梅干しとほうじ茶。
 間食は、バナナ1本と牛乳をグラスに1杯半。
 夕食は、カレーに野菜サラダ、ヨーグルト、果物、である。特別な場合以外、外食はいっさいしない。これで体重45キロを維持している。8年前の帰省したときは、体重42キロだった。その後、父と母の介護をしながら、一緒に三食たべるようになり、47キロまで太った。たちまちズボンが入らなくなり、喪服もスーツもズボンの後ろを広げる直しに出さなければならなかった。独居になって1年半。やっと正常体重に戻った。
 だが、風呂から上がって自分の体を鏡に映して見ると、あまりに貧弱なのでがっかりする。加齢のせいだから仕方ない。

しおん
ぎぼうし

■白内障

 9月9日、市民病院眼科で白内障の検診。手術したいと伝えると、11月にするという。その1か月前に血液検査などするから、肉親の保証人を連れてきてください、とのこと。また、手術の際も肉親の立ち会いが必要と言われる。この町に自分の親戚は誰もいない。弟に来てもらうしかないが、2か月続けては無理だ。「だったら、東京で手術したらどうですか」などと言う。父をほっといて、そんなことできるわけがない。しかたがないので、とりあえず来年1月20日の健診予約だけする。市民病院の眼科は医者が一人になってしまった。もうこの病院での手術は無理かもしれない。

てっせん
野菊

■父、百歳

 9月25日、父が百歳の誕生日を迎えた。当日、多治見の「生楽館」には、父の短歌の弟子7人と、弟夫婦に自分と、10人が集まった。紅白饅頭とチョコレートをお弟子さんたちに配る。談話室で昔の写真を見たりして、楽しそうだった。
 孫一同からは大きな花が届いていた。
 ところが、翌週、父に会うと誕生会のことは、すっかり忘れていた。「なんだかそんなようなことがあった気はするが、よう覚えとらん」とのお答え。

父百歳の誕生日、短歌の弟子たちと

孫からの花と父

■今月の一冊

 『タモリ論』樋口毅宏著。タモリを語ることはけっこ難しい。弟子もいないし、家族も公表しないし、孤独感が漂う。それをよく調べて書いている。当然ながら、たけし、さんま、にも触れざるをえず、これは「タモリ、たけし、さんま論」だ。

■今月の映画

 「ゼロ・ダーク・サーティ」がすごかった。「ハート・ロッカー」でアカデミー賞を受賞した女性監督、キャスリン・ビグローの作品。ビンラディンの隠れ家を突きとめ、急襲して殺害するまでの話。

 父の百歳の誕生日は無事終わった。ただ、認知の度合いが進んでいる。いったい、いつまで生きるのだろうか。            


                                                               (次回へつづく)


大島 一洋  (おおしま・いちよう)
1943年岐阜県中津川市生まれ。早稲田大学第一文学部美術専修科卒。
大和書房を経て、平凡出版(現マガジンハウス)に中途入社。「週刊平凡」「平凡パンチ」「ダカーポ」「鳩よ!」などの雑誌および書籍編集にたずさわり、2005年定年退職。現在はフリー編集者&ライター。著書に『芸術とスキャンダルの間』(講談社現代新書)。
 
 
 
 


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