そら飛ぶ庭
   

介護日記
 
2012.5.15 

Diary of Country Life
Nursing of My Parents

せっかちな自分

父、ホームの生活に慣れる

オススメDVD

大島  一洋 

桜が満開
 

■観察力

 もう何度も通っているのに、多治見駅改札前の、大きな陶製の壁画に気が付かなかった。弟に指摘されて初めて知った。「観察力が足りないねえ」と弟にからかわれた。彼は歌人だから、常に物事をじっくり観察する習慣がある。

多治見駅改札前の壁画
東京から面会に来た弟

 自分はせっかちで、目指す場所へまっしぐら、脇見をしない。小さい手帳を持っていて、前日に書いた予定通り行動する。「12時12分発多治見」とあれば、1時間前の11時12分に喫茶店に寄り、アメリカンコーヒーとスポーツ新聞、中日新聞を読み、11時45分に喫茶店を出て、「梅園」という菓子屋で父に食べさせる饅頭を買う。駅で多治見行きの切符を買ったあと、「ベルマーレ」で週刊誌、ペットボトルのお茶、サンドイッチを買い、改札を抜ける。2番線に名古屋行きの始発電車が止まっているので、前から2両目に乗るとちょうど12時。週刊誌を読んでいるうちに午後1時多治見へ着く。改札を出て南口のエスカレーターで1階に降り、4番線に止まっている「旭ヶ丘循環バス」に乗る。週刊誌の続きを読んでいるとバスは1時10分に出発する。約30分で「旭ヶ丘6丁目」に着き、5分ほど歩いて「生楽館」(きらくかん)。午後1時40分。

面会にきた宣夫おじさん夫妻
週刊誌を読む父

 入館者名簿に記入し、2階へ。看護センターで父の様子を聞き、何もなければ父の部屋228号室へ行く。父に郵便物を渡し、饅頭を食べさせたり雑談をして、2時45分に「生楽館」を出る。バス停のベンチに座って、お茶を飲みながら昼食のサンドイッチを食べる。

部屋で短歌雑誌を読む父
父のベッドの机の上

 午後3時のバスに乗り、多治見駅へ。午後3時43分の電車に乗り、中津川に4時半頃着く。「アピタ」で、手帳のメモをみながら買い物をして5時自宅。
 といった具合である。多治見へ行かない日は、「喫茶店」「アピタ」(週に一回「三洋堂」へDVDを借りに行くが)だけで帰宅する。もともと散歩が好きではないので、街中をぶらぶらすることはない。自室で雑誌や本を読んでるだけで落ち着く。

散髪した父

■新しい発見

 弟に観察力のなさを指摘されてから、これはいかんと、街をゆっくり歩くことにした。するといろんな発見があった。「この川へ○○を○○ないで下さい」という看板。○の部分は多分「ごみ」と「流さ」が赤いペンキで書かれていたのだろう。それが消えてしまったのだ。探偵調査の広告貼り紙。(不倫が多いのか)。新町にあるコンクリートの像。何の説明も書いてないのでわからない。この街の人にはわかるのだろうか。

赤いペンキが落ちた?
不倫調査か?
新町にある銅像。なんの説明もない

 清掃トラック。街がきれいなのは、このような清掃車が何台も走っているおかげだ。

街の清掃車

 自分は昔、小説家志望だったから、観察はよくしたが、観察したものから妄想を広げるタイプだった。例えば、ちょっと気になる女性がむこうから歩いて来ると、こっそり見て、年齢、職業、主婦らしい女性ならどんな亭主か、子供はいるのか、どんな料理が得意なのか、セックスは週に何回くらいするのか、どんな体位が好きなのか、不倫はしてないのか、というようにどんどん膨らませていき、それを大学ノートに書いていた。波乱な人生を送ったという女性を紹介してもらい、インタビューしてその人生を妄想で拡大した。
 だが昨年、同人雑誌を退会してからは、それを止めてしまった。あれが失敗だったのかもしれない。小説は下手でも書き続けなければダメなことは承知していたはずなのに。

紫木蓮
れんぎょう

■オススメDVD

 毎日一本はDVDで映画を見る。以下は今月見たオススメ映画である。
「ナイト&デイ」トム・クルーズとキャメロン・ディアスのアクションもの。
「太平洋の奇跡」竹野内豊主演。サイパン島で最後まで戦った末に降伏した大場という実在の大尉がモデルらしい。
「小川の辺」藤沢周平原作、東山紀之主演。ちょっと長いが最後の決闘シーンが見もの。
「アジャストメント」マッド・デイモン主演のSF&恋愛映画。
「間宮兄弟」江國香織原作。監督・森田芳光。
「必死剣鳥刺し」豊川悦史がこんない大きい男だとは知らなかった。
「ワールド・オブ・ライズ」リドリー・スコット監督。(「エイリアン」「グラディエイター」を撮った監督)。レオナルド・デカプリオ主演のスパイ映画。どうもデカプリオとブラピとトム・クルーズの区別がつかない。
「モテキ」森山未来ががんばっている。長澤まさみはわかるが、麻生久美子、真木よう子、仲里依紗の区別がつかない。
「ソーシャル・ワーカー」すごい実話。ネットの世界は恐ろしい。
「戦火のナージャ」ニキータ・ミハルコフ監督のロシア映画。年度が前後するのでわかりにくいが、面白い。
「狂った血の女」実在の女優ルイザ・フェリーダと男優オズワルド・ヴァレンティの自堕落な生活と最後にパルチザンに処刑されるまでを描いた大作。154分。
「オーストラリア」バズ・ラーマン監督。ニコール・キッドマン主演。165分の大長編だが退屈しない。

すずらん水仙
かいどう

■AV寸評

 ヘンリー塚本作品は100本以上あるかもしれないが、やはり田舎ものがいい。ドラム缶風呂、洗濯板、蚊帳、赤い鼻緒の下駄、ふんどし、腰巻が効いている。
 女優は風間ルミが好きだが、彼女のAVは100本以上ある。ファンになってしまったため見ていると妬ける。手入れがいいのか、体型はあまり変わらない。週刊誌に33歳と出ていたが、そんなに若くないはずだ。
 鮎川るいはベテランだが、性格が明るくてよさそうだ。巨乳がやや垂れ気味になってきたが。
 ところで、すごいAVを発見した。授乳ものだが、巨乳女優が出産直後らしく、ぱんぱんに張ったおっぱいを揉むと、母乳がほとばしり出るのだ。まさにぴゅーという感じでカメラにまで飛んでくる。これをペニス振りかけるのだからたまらない。とくに「兄貴の嫁が授乳中」という作品の和久井ももが素晴らしい。そういえば昔、出産直後の妻の母乳を飲んだことがあったなあ。味は忘れた。
     
ムスカリ
落ちた椿の花

■大正村

4月22日(日)雨
 同級生の熊崎が、恵那市明智町にある「大正村」へ連れていってくれた。大正時代のものをいろいろ集めた町で、文化庁の有形文化財に指定されている。メインは「大正ロマン館」。初代館長が栃錦、二代目が高峰美枝子、現在は司葉子が館長で、それぞれの展示室がある。古いポスターや写真がたくさん見られる。
 帰途、山岡町で巨大な水車を見た。少しは電力を作っているらしい。
 残念ながら、一日中雨が止まず、寒かった。
 中津川に戻って、最近オープンした「まき」という店で夕食。メニューが豊富でワインも飲める。自分の家のすぐ近くで、これからは常連になりそうだ。
 
恵那市山岡にある巨大水車
ばたばたばた

■『舟を編む』

  本屋大賞を受賞した三浦しをんの小説。国語辞典を作る編集部が舞台なので、書店員は興味を持ったのだろう。弟の史洋が小学館の辞書編集部に定年まで勤めていたので、27日に帰ってきた夜、いろいろ聞いた。やはり出版社の中では陽の当たらない部署らしい。時間と経費がかかりすぎるからだ。だから作中で女性誌から異動して来る若い女性編集者は左遷ということになる。
 参考文献に登場する編集者は、ほとんどが弟の後輩だとか。また、舞台となった出版社は三省堂らしい。
 日本語は「あ行」「か行」「さ行」が最も数が多く、これだけで一冊の半分を占めることを初めて知った。

モンロー水仙
りきゅうばい

 今月は大きな出来事はなかった。父も元気で老人ホームでの生活に慣れてきたよう。現在、週に火金と二日、様子を見に行っているが、交通費がかかりすぎるので、来月からは週一回、水曜日だけにしようかと思っている。父は寂しがるだろうか。「そんなに来んでもええ」と強がりを言っているが。

(次回へつづく)


大島 一洋  (おおしま・いちよう)
1943年岐阜県中津川市生まれ。早稲田大学第一文学部美術専修科卒。
大和書房を経て、平凡出版(現マガジンハウス)に中途入社。「週刊平凡」「平凡パンチ」「ダカーポ」「鳩よ!」などの雑誌および書籍編集にたずさわり、2005年定年退職。現在はフリー編集者&ライター。著書に『芸術とスキャンダルの間』(講談社現代新書)。
 
 
 
 


トップページ会社紹介著作権についてお問い合せ
Copyright (c) Flying Garden Rights Reserved.