そら飛ぶ庭
   

介護日記
 
2012.04.10 

Diary of Country Life
Nursing of My Parents

父、歩けるようになる

父、饅頭大好き

父、2回目の尿検査も、がん疑惑

大島  一洋 

桃の花
水仙

■介護保険の更新

3月1日(木)晴
 天気がいいので、自分のシーツ、毛布、ふとんを干す。
 市役所から、父の介護保険の更新申請書が届いたので、ケアマネージャーに電話して、相談しながら記入する。あとは父が入居している「生楽館」(きらくかん)の医師の記入と現在の介護保険証が必要。
 夜、DVD「ブラック・スワン」を見る。バレリーナの苦悩をホラータッチで描いたもの。「白鳥の湖」にブラックがあることを知らなかった。

3月4日(日)曇のち雨
 日曜日だが、多治見へ行くことにする。11時13分発の電車に乗る。いつもより1時間早い電車。多治見からの旭ヶ丘循環バスは、土日祝日は12時半発で30分待ち。
 1時過ぎに「生楽館」着。事務所に介護保険更新の申請書を出し、医師欄の記入を頼み、預けてある介護保険証を受け取る。
 228号室へ行くと、父は寝ていた。起きるとベルが鳴るセンサーを切って、ベッドに腰掛ける。頼まれた財布を渡す。中には3000円しか入っていない。現金など必要ないのだが、少しは持ってないと不安らしい。
 2時前に看護師がきて、日曜日は4階でお茶を飲む日だというので、父を車椅子に乗せ、4階へ。父はココアを頼んでいた。
 雨が降り始めたので、自分はタクシーを呼んで多治見駅へ。3時半中津川着。「アピタ」で買い物して4時帰宅。
 夜、ごみを出すついでに「にしの」。10時帰宅。「ラジオ深夜便」

3月5日(月)雨
 午後、郵便局から父の購読している雑誌「新アララギ」の半年分の代金7200円を振り込む。「夢」「アピタ」と回って1時半帰宅。浴槽に湯をはって入浴。夜の入浴は怖い感じがするので昼間入ることにしている。入浴後、全身にベビーオイルを塗る。
 ついでに洗濯。雨なので廊下に干す。
 夜、DVD「トイレット」を見る。これには驚いた。邦画とあるのに、日本人俳優はもたいまさこ一人。あとはカナダ人で日本語字幕。監督は「かもめ食堂」の萩上直子。彼女はカナダ留学が長かったらしい。素晴らしい才能。

ストック
シクラメン

■萩上直子監督作品

3月6日(火)曇のち晴
 喫茶店「日曜日」でアメリカンとスポーツ新聞を読んだあと、12時13分発の電車で多治見へ。1時半「生楽館」着。父の介護保険更新申請書の医師欄に記入した書類を事務所で受け取る。
 228号室へ。父が饅頭を食べたいと言っていたので、一個持っていき、食べさせる。カップにペットボトルのお茶。「これは、うまいなあ」と嬉しそうに食べていた。
 入浴日なので、父は2時半頃1階の入浴室へ。自分は3時のバスで多治見駅へ。3時43分発の電車で4時半過ぎ中津川着。「アピタ」で夕食の惣菜を買い、5時帰宅。
 夕食後、雑誌を読んだあと「にしの」。10時帰宅。
 零時半に就寝したが、なぜか5時に目が覚めてしまった。多分、寝る前にチョコレートを食べ過ぎたせいだろう。起きて缶ビールを飲みながら「老人小説」の構想をノートに書く。こんな生活ができるのは、自分が独居になったからだ。なんの束縛もない。
 午前6時、セルシンとデバスを服んで再就寝。

饅頭を食べる父
入浴前の父

3月7日(水)曇
 午後、市の福祉会館までタクシーで行き、父の介護保険更新の申請をする。歩いて「三洋堂」へ。DVD5本借りる。「梅の木」でアメリカン。
 夜、DVD「めがね」を見る。萩上直子監督。鹿児島県の与論島で撮影されたらしい。俳優が全員めがねをかけている。のんびりと時間が流れる「たそがれ」を味わうために集まった人たち。美しい映像とゆったりとした時間の流れがいい。「かもめ食堂」「トイレット」と、萩上作品には感心する。

3月8日(木)晴
 午後、久し振りに坂道の落葉を掃く
夜、還暦合唱団の終わったあと、同級生の丸山明美宅でおでんパーティ。参加者8人。明美ちゃんが作ったおでんはうまかった。二人前食べてしまった。酒はレミーマルタンとXOが出て、昔の東京生活を思い出した。12時帰宅。

おでんパーティー

3月9日(金)曇のち雨
 12時13分発の電車で多治見へ。バスで「生楽館」。驚いたことに、父が歩けるようになっていた。リハビリのおかげだ。夕方4時半帰宅。
 夜、「にしの」「いちりき」とはしご。

歩けるようになった父
福寿草

■名探偵モンク

3月11日(日)晴
 頭が痒くてならないので、午後、後藤理髪店。
 夜、DVD「名探偵モンク」の第一シーズンの@Aを見る。新聞で三谷幸喜がほめていたので「三洋堂」で借りてきた。面白い。はまりそう。

3月12日(月)曇のち晴
 12時13分発の電車で多治見へ。1時半すぎ「生楽館」。介護保険更新のため、多治見市役所福祉課の女性が父に面接するのに立ち会う。父の答えはかなりしっかりしていた。
 夕方4時半帰宅。
 夜、DVD「名探偵モンク」を見る。神経症のモンクに苛つく。

3月14日(水)晴
午後、「三洋堂」まで歩き、「名探偵モンク」の第五シーズンを借りる。シーズン二、三、四をすっとばして、いきなり五を見ることにした。相棒役の女性が代わっていて、これがよくない。モンクは相変わらず苛つくキャラだが、話はよくできている。
夕食後、背中が痒いので上半身裸になり、お湯で濡らしたタオルでこする。痒み止めを塗るが、背中の真ん中には手が届かない。

3月16日(金)晴
 12時13分発の電車で多治見へ。1時半「生楽館」着。2月分の請求書を受け取る。合計で約25万円。明細書、領収書が添付されている。2月は29日間しかないが、これで月に30万円以内でおさまることがわかった。
 父の部屋で饅頭を食べさせる。嬉しそうに食べた。
 帰るとき、父が歩いて部屋の出口まで送ってくれた。エレベーターホールまでの長い廊下を歩きながら振り返ると、父がこちらをみて手を振っていた。自分も振りかえす。いつも別れぎわが辛い。夕方4時半帰宅。
 昨日から馬島さんが屋根と雨樋の修理に入っていて、半分ほど終わっていた。上から眺めると、ずいぶんきれいな屋根になっている。父から家のメンテナンスはしっかりしておけと言われている。
 吉本隆明死去。87歳、肺炎。

今年も咲いたカタクリの花
ボケの花

■面会者多数

3月18日(日)曇
 母の月命日なので仏壇を開ける。午後、お彼岸だから打越(うちこし)の墓掃除に行く。本当は昨日が彼岸の入りだが、雨だったので今日になった。墓は落ち葉が少しあるくらいで汚れていない。墓花を新しいのに変えると、墓全体が引き締まった。
 夜、「名探偵モンク」のシーズン三のABを見る。
 8時過ぎ「にしの」。10時帰宅。

掃除した墓
ショウジョバカマ

3月19日(月)晴
 午後、買い物から帰ったあと、入浴。洗濯。
 夜、「名探偵モンク」のシーズン三のFGを見る。「モンク」はもうこれでいい。肉感的な女性相棒はシーズン三まで。「モンク」を見る楽しみの半分は、相棒の女性の肉体的魅力なのだ。

3月21日(水)晴
 12時12分発(13分が12分に変わった)の電車で多治見へ。バスに乗り、1時半「生楽館」着。父は元気だった。信玄堂で買ったよもぎ餅を食べさせると「これはうまいなあ」と喜んだ。談話室で「週刊ポスト」を見せる。熱心にページをめくっていた。
 3時のバスで多治見駅。4時半中津川着。
 夜、DVD「ガンヒルの決闘」を見る。カーク・ダグラスとアンソニー・クイン。古い映画で、以前見たことあるが、内容を忘れていた。

3月24日(土)雨のち晴
 12時12分発の電車で多治見へ。土曜日なのでバスは使えず、タクシーで「生楽館」へ。2時に従兄弟の一範ちゃん夫婦と八恵ちゃんが、息子のクルマで面会にきた。
 父を談話室へ連れていき、5人でしばらく話したが、30分もすると「疲れた」と父が言うので解散。一範ちゃんたちは帰った。
 父と部屋に戻り、信玄堂の饅頭を食べさせ、自分は多治見駅のベルマートで買ったサンドイッチを食す。
 3時にタクシーを呼んで多治見駅。4時半中津川着。
 夜、DVD「1枚のハガキ」を見る。まずまずか。仕組まれた映像が効果的で美しい。

父に面会に来た従兄弟たち

3月27日(火)晴
 12時12分発の電車で多治見へ。バスに乗り継いで1時半「生楽館」着。父の2回目の尿検査の結果が出ていた。やはり膀胱がんの疑いありだった。2回検査して同じ結果なので、もう検査はしないことにする。
「新アララギ」の4月号が届いたので父に渡す。弟の史洋も寄稿しており、父はじっと読み続けていた。
 3時のバスで多治見駅。4時半中津川着。
 夜、DVD「処刑人」を見る。B級映画としてもくだらない。せっかく巨乳女優を使っているのに、それを隠してしまっては意味がないよなあ。
 8時「にしの」。3曲歌って10時半帰宅。

キンチャク草
梅の花

■弟一家来る

3月28日(水)曇
 馬島さんの屋根と雨樋の修理、やっと終わる。修理代はけっこう高かったが、これで安心。雨が漏るようになってからでは遅いのだ。
 夜、DVD「パラダイス・キス」を見る。北川景子がいい。向井理は前半に嫌みな台詞が多いが、原作(漫画)ものだから仕方ないか。
 8時過ぎ、ごみ出しついでに「いちりき」。9時半帰宅。読書。

3月29日(木)晴
 午後2時、入浴。洗濯。
 夜、8時。還暦合唱団。終わって「かかし」で夜食。4人。

3月31日(土)雨のち晴
 午前11時過ぎ、どしゃ降りの雨の中、喫茶店「縹」へ。アメリカン、スポーツ新聞、中日新聞を読んだあと駅へ。12時12分発の電車で多治見へ。タクシーで「生楽館」。
 午後1時半頃、弟夫婦と娘、孫の4人来る。談話室で写真を撮ったり、おしゃべりしたが、やはり30分もすると「疲れた」と父が言うのでタクシーを呼んだ。父は車椅子でエレベーターの前まで見送ってくれた。
 弟たちは名古屋で一泊するというので、多治見駅で別れる。4時半帰宅。
 夜、DVD「ライン」を見る。これもよくあるマフィアものだが、どうなっているのかよくわからない。

父に面会にきた弟一家

今月は多治見の「生楽館」へ、父に会いに行く話が中心になった。それが現在の自分の仕事なのだが、読むほうは面白くないだろう。来月から少し趣向を変えてみようかと思っている。      

                                                       (次回へつづく)


大島 一洋  (おおしま・いちよう)
1943年岐阜県中津川市生まれ。早稲田大学第一文学部美術専修科卒。
大和書房を経て、平凡出版(現マガジンハウス)に中途入社。「週刊平凡」「平凡パンチ」「ダカーポ」「鳩よ!」などの雑誌および書籍編集にたずさわり、2005年定年退職。現在はフリー編集者&ライター。著書に『芸術とスキャンダルの間』(講談社現代新書)。
 
 
 
 


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