そら飛ぶ庭
   

介護日記
 
2009.9.14 

Diary of Country Life
Nursing of My Parents

父との諍い

母の衣類を干す父

自分、ストレス熱発生

大島  一洋 


中津高校同窓会

豪雨にずぶ濡れ
8月1日(土)雨
 午後、買い物から帰ると突然豪雨。
 念のため自室の押入れの天井を調べると、雨は漏っていないが、染みができていて、触ると冷たい。これは屋根のどこかに小さな隙間があって、そこから滲み落ちているに違いない。すぐ馬島さんに電話する。3時過ぎに来た彼に、押し入れの染みを見せる。屋根に上って調べてもらうとトタンにほんの小さな隙間があって、そこしか考えられないという。とりあえず雑巾を挟んでおき、晴れたらパテを詰めに来ると言って帰った。
 夜、ずっと原稿読み。
 今日は、坂下の花の瑚で38年ぶりの「中津川フォークジャンボリー」が開かれたが、この雨には参っただろう。中津川駅前からバスのピストン輸送で1300人が集まったとか。

8月3日(月)晴 暑し
 午後、三洋堂まで歩く。DVD6本借りる。「夢」でコーヒー&スポーツ新聞。「アピタ」で買い物。午後2時半帰宅。夕食まで読書。
 夜、DVD「裏窓」を見たあと「にしの」。10時半帰宅。読書。

8月5日(水)晴
 午前10時半頃、父に男性の来客。応接間にあげて話している。父が客を家へ入れるのは珍しい。いつも玄関だけですましている。なんだか教育関係者で、父の後輩にあたる人らしい。父の様子を見にきたようだが、父の耳が遠くて会話にならず、最後は筆談になった気配。応接間のテーブルには紙とボールペンが置いてある。
 午後、買い物から帰ったあと、父の寝室と茶の間に掃除機をかける。庭のアカンサスの苗の周囲だけ雑草を抜く。アカンサスはだいぶ大きくなってきた。
 夜、DVD「愛人」を見たあと原稿読み。

かいがら草
アカンサスの苗

8月6日(木)曇のち雨
 午後、三洋堂でDVDを借り、「夢」へ向かって歩いていると突然の豪雨。逃げる場所がない。やっと個人宅の小さな屋根つき駐車場を見つけて、その下に入ったが、上下左右から吹き付ける雨で全身ずぶ濡れ。夕立だと思ったのに、30分以上たっても治まらない。タクシーを呼ぼうかと思ったが、自分が今いる場所がわからないので説明できない。すると駐車場の持ち主らしいおばさんが家から出てきて「車でお送りしましょう」と言う。見るに見かねたのだろう。家の前に止めてあった車に乗せてもらい、旧国道の坂道の上まで送ってもらった。家に飛び込んで、着ているものを全部脱ぎ、シャワーを浴びて着替えたらさっぱりした。豪雨は結局50分近く続いた。電車が止まったらしい。
 3時頃、小雨になったので、まず新町の東美濃センターで7月分のシルバーさんの支払い。「アピタ」で買い物。
 夜、ずっと原稿読み。のりピー行方不明。

弟帰省する
8月7日(金)雨
 朝刊に、大原麗子死亡の報。62歳。
 父の起きてくるのが遅い上に洗面に時間がかかるので、先に朝食を食べ、父の分だけテーブル傘をかぶせておく。
 午前も午後も突然豪雨。小雨になったかと思うと、また激しく降り始める。その繰り返し。なんだか奇妙な天候である。
 夜、DVD「明日の記憶」を見たあと原稿読み。

8月8日(土)晴
 朝食のとき、「今夜、落合の花火を見に行く」と父に伝えると、突然怒りだした。曰く「お前はなんでそうちゃらちゃら動くんや」「俺を中津にいる口実にするな」「お前はだいたい、やることがだらしない」箸を持つ父の手がぶるぶる振るえている。昔から家族を家に縛り付けておく悪癖のある父だが、この歳になっても変わらない。自分も頭にきたので言い返した。「父ちゃんは、一人で何でも出来ると思っとるかもしらんが、それは出来んぞ。可知先生も垣内さんも、絶対に誰かが傍にいなくちゃあかんと言ってる」
 そう言って席を立った。もう、まともに相手にしない。父は優しいときは優しいのだが、いったん怒りだすとどんどん話が広がって収拾がつかなくなる。
 午後、夕方7時半に来ることになっている弟のために、和室にふとんを敷く。
 夕食後7時、浴衣に着替えてタクシーで落合の「おがらん神社」へ。熊崎夫妻、小木曽さん、渡辺洋子等と会う。生ビールを飲み、花火を見る。10時頃タクシーで帰宅。入浴し、弟と少し話す。午前零時半就寝。


落合の花火

8月9日(日)曇
 午前中、弟と茶の間の絨毯を巻き、代わりにござを敷く。重労働で汗がだらだら流れる。自分一人ではとても出来ない作業。
 午後、父と弟と三人で打越(うちこし)の墓へ行く。晴れていないが蒸し暑い。掃除をし、花を替えて線香をあげる。父は何もせず、じっと立っていた。
 帰宅してから、弟と坂道を掃く。
 夕食は「アピタ」内の台湾料理店。
 帰宅して原稿読み。9時過ぎ、入浴し、弟と自室で雑談。今日は疲れたので11時に就寝。のりピー逮捕。


墓掃除を終えた父と弟

地震に気付かず
8月10日(月)曇
 朝食後、洗濯。午前10時半頃、弟帰京。
 午後、三洋堂、「夢」「アピタ」と回る。
 夜、DVD「素顔のままで」を見たあと原稿読み。

8月11日(火)晴
 午前5時頃地震で、かなり揺れたらしいが、自分は熟睡していたのか気付かなかった。午後「夢」で、地震を知らなかったと言うとみんなに呆れられた。そんなに揺れたのか。
 弟と自分のふとんを干す。自室の炬燵を机に替える。
 夕方、ふとんを取り入れ、自室の押入れに収納。夏用の敷布とタオルケットを出す。今年は長梅雨だったため、夏ふとんを出すのが遅れた。
 夜、DVD「ジア」を見たあと原稿読み。

トレニア
ベゴニア

8月12日(水)晴
 午後、父が歌会に出かけた。留守中に寝室、茶の間に掃除機をかける。
 夜、中津川市の花火大会。落合に住んでいる同級生・渡辺洋子が中津の花火を見たいというので、7時に熊崎夫婦と四人で桃山の打ち上げ場所まで歩く。すごい人出。屋台もぎっしり。花火は頭上に大きく開いて見ごたえあり。駅の近くまで戻り、焼鳥屋の前でビールケースに腰掛け、生ビ−ルを飲みながら花火をみる。8時45分花火終了。「いちりき」へ。丸山明美も来て、5人でカラオケ。
 午前零時帰宅。入浴即就寝。

短歌を添削する父
花火大会

8月13日(木)曇
 中津川の夏祭り「おいでん祭」の日。
 夕食後、駅前へ風流踊りを見に行く。すごい人手。何人か知人に会ったが、みな家族連れだった。風流踊りは雨乞い踊りなので派手さがなく退屈。そのあと市内の会社が作った企業神輿はまずまず。
 終わったあと「にしの」「いちりき」と寄って10時半頃帰宅。原稿読み。


風流踊り

8月14日(金)晴
 買い物に出た以外は、ずっと原稿読み。
 夜、DVD「鳥」を見る。
 海老沢泰久氏、山城新伍氏死去。

ころころ変わる父の機嫌
8月16日(日)晴
 朝食後、洗濯。
 午後、父の寝室、茶の間、和室に掃除機をかける。
 夜、DVD「疑惑の影」「サイコ」を見たあと読書。

8月17日(月)晴
 父が、母の洋服タンスから衣類を出して干している。どうしようもない古着ばかりだが、干してどうするのだろう。次に茶の間の押入れを開け、奥から箱を出せと言う。なんと洋服箱が6個も出てきた。こちらは父の衣類が入っているらしい。これも干して整理するとか。とにかく物を捨てないので、古いものがいっぱい溜まっている。
 夜、DVD「めまい」を見る。ヒッチコックを見直しているが、忘れている部分がかなりある。原稿読み。

むくげ
日日草

8月18日(火)晴のち曇
 母の月命日なので仏壇を開け、線香をあげる。午後、花を買ってきて、仏壇と玄関に活ける。父が「おっ、今日は18日か」とやっと気が付いた。
 今日は天気がはっきりしないので、母の衣類を干せない。
 夜、DVD「ロープ」「知りすぎた男」を見たあと原稿読み。

8月19日(水)晴のち曇
「アピタ」が定休日だった。棚卸しの日らしい。「アピタ」の休みは年に2、3日しかないから、行ってみて気付く。四ツ目川沿いにある「スマイル」というスーパーで買い物。「アピタ」より少し安いが、自分は車がないので、近い「アピタ」専門。重いトートバッグを下げて歩くのは辛い。
 天気がよくないのに、父は母の衣類を干していた。
 夜、DVD「ハリーの災難」を見たあと「にしの」「すし天」とはしご。11時半帰宅。

女郎草
千日坊主

8月20日(木)晴
 昼食のとき、冷麦を食べながら父が言う。「もう、何が食べたいとか、考えることもせん。どうでもええなった」。ちょっと弱気になっている。そのくせ、夕食のとき「今夜、出かけます」と伝えると、急に不機嫌になり「お前、東京へ帰ってこい。俺はなんでも自分でできるで」とまた同じことを言い始める。
 夜8時、還暦合唱団に参加。終わって「かかし」で軽く飲む。11時帰宅。


還暦合唱団

草取りに汗びっしょり
8月21日(金)晴のち曇
 午前8時前に可知医院へ順番取り。父の定期健診日。18番だった。父は10時半頃出かけた。
 午後、買い物から帰ると体が熱っぽい。体温を測ると37度3分。風邪が完治してないのか。
 夜、ずっと読書。午前零時、体温を測ると36度3分。平熱に戻っている。これはどういうことか。風邪の熱がストレス熱に変化したのか。

8月22日(土)曇
 午前中、後藤理髪店。熱36度7分。
 午後、買い物から帰ったあと、明日が廃品回収日なので新聞、ダンボール、雑誌などを束ねる。父の寝室、茶の間に掃除機をかける。
 高校野球、県岐商、準決勝へ。
 夜、原稿読み。熱36度5分。

8月23日(日)曇
 午前7時半起床。寒い。門の所へ新聞、雑誌、ダンボールを出す。8時に持っていってくれた。朝食後、洗濯。8時過ぎ、馬島さんが庭に入って、剪定と草取りを始めた。10時過ぎに、馬島さんを縁側に呼び、お茶と饅頭とかりんとうを出す。今日は午前中だけで、あとは火曜日に来るとのこと。
 午後、三洋堂、図書館「夢」「アピタ」と回る。熱37度3分。
 夜、DVD「パラダイン夫人の恋」を見たあと原稿読み。熱36度4分。完全に介護ストレスによる熱だ。朝は平熱で昼間に上がり、夕方がピーク。夜にかけて下がり始め、深夜平熱に戻る。

白いダリア
白い紫陽花

8月25日(火)晴
 午前8時半に馬島さん来て、剪定、草取りが始まる。自分も長靴にはき替え、石垣の間の草を抜く。ほっておくと石垣が崩れる原因になる。10時過ぎ、馬島さんにお茶と菓子を出す。
 午後2時、買い物から帰ると、馬島さんの午後の仕事が始まっていた。自分も畑の草取りをする。汗びっしょり。3時過ぎ、馬島さんにお茶と菓子を出す。縁側は陽があたって暑いので玄関の上がりかまちに座ってもらう。4時にはヘルパーさん来。ほんと昼間はゆっくりできない。
 夜、DVD「24」のシーズン4の1、2、3を見る。原稿読み。

高校同窓会
8月26日(水)晴
 朝食後、父が自分の昨日の草取り作業に対して1万円くれた。昨日の疲れか、やたら眠い。再就寝。10時半起床。
 午後、「アピタ」内にある洗濯屋「中部ドライ」に長袖シャツとアロハシャツを出す。自宅近くにある洗濯屋「はりぶん」が今月末で閉店するので、「中部ドライ」に出してみた。なんと料金が「はりぶん」の倍。
「梅の木」でコーヒーとスポーツ新聞。帰宅すると、父が古着を干していた。蚊にさされたとブツブツ言っている。足首がとくにひどい。自分は蚊にはめったにさされない。多分、父の息は老人性の炭酸ガスが多いのだろう。
 夜、DVD「24」シーズン4の4、5、6を見たあと原稿読み。


喫茶店「梅の木」

8月27日(木)曇のち晴
 午前10時、ケアマネージャーの垣内さん来。月末の定期面談。父に変化がないので15分で終了。「僕のほうが先に死にそうです」と垣内さんに愚痴ると「もうすぐ3年になりますものね」と同情された。
 午後、三洋堂、「夢」「アピタ」と回る。
「坊っちゃん文学賞」の一次選考委員・関口さんから10作品届く。
 父の衣類干しがやっと終わり、押入れに箱を収納するのを手伝う。
 夜、DVD「24」シーズン4の7、8を見たあと原稿読み。「坊っちゃん文学賞」の自分の担当分を読み終え、10本残した。関口さんのと合わせて20本。近いうちに結城さんからも10本届く予定で一次予選通過は30作品となる。これから二次選考に入る。


垣内ケアマネの面談を受ける父

8月28日(金)晴
 午前中、原稿読み。
 午後、東京へ生活費を振り込む。父の寝室と茶の間に掃除機をかける。
 夜、DVD「24」シーズン4の9、10、11を見たあと原稿読み。
 午前零時、熱36度4分。ビ、セ、デを服んでも眠れず、セルシン2錠追加して午前2時就寝。

8月29日(土)晴
 午前7時半起床。眠い。5時間半しか寝てない。朝食後再就寝。10時半起床。
 午後、図書館、「夢」「アピタ」と回る。父がまた母のタンスから衣類を出して干している。晴れていれば何度でも干したいらしい。
 夕食後、6時過ぎ「勝宗」という料亭へ。中津高校の同級生の一人が県議会議長に、もう一人が市議会議長に就任したため、その祝勝会を兼ねた同窓会。30人くらい集まる。二次会は9人で「にしの」。11時半帰宅。入浴。早い時間から飲んだので久し振りに酔った。自分は夕食を終えていたので「勝宗」では何もたべずにビールばかり飲んでいたせいもある。足元がふらついていた。

さくら草
百日紅

保守王国の崩壊
8月30日(日)晴
 昨夜飲みすぎたので朝起きるのがつらい。朝食後、洗濯をして再就寝。11時起床。
 午後、「夢」「アピタ」と回る。熱中症になりそうなくらい暑い。
 午後3時頃、父が衆議院選挙の投票に出かけた。自分は住民票が東京なので棄権。
 夜、DVD「24」のシーズン4のファイナルを見ようとしたが、このDVDだけ片面2層で映らない。シーズン3もそうだったが、ファイナルが映らないのではどうにもならない。
 応募原稿を読む。
 午後8時からラジオとパソコンで選挙速報を見る。民主党圧勝。保守王国・岐阜県も1区、3区、5区で民主党が勝った。中津川は5区である。
 窓を開け放しても風がない熱帯夜。午前1時就寝。

8月31日(月)晴
 朝刊に「民主308 政権交代」の大見出し。投票率69%(岐阜県は73%)さあどうなるか、今後が面白い。
 結城信孝氏より「坊っちゃん文学賞」の一次通過作品10作届く。二次選考に入る。
 夜、原稿読みに疲れたので「にしの」「じゅうべえ」とはしご。11時半過ぎ帰宅。
 今月も平穏に終わった。父の体力は少しずつ落ちている。この残暑を超えられればいいのだが。


大島 一洋  (おおしま・いちよう)
1943年岐阜県中津川市生まれ。早稲田大学第一文学部美術専修科卒。
大和書房を経て、平凡出版(現マガジンハウス)に中途入社。「週刊平凡」「平凡パンチ」「ダカーポ」「鳩よ!」などの雑誌および書籍編集にたずさわり、2005年定年退職。現在はフリー編集者&ライター。著書に『芸術とスキャンダルの間』(講談社現代新書)。
 
 
 
 


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