【詩の庭】 特選エッセイ 〜スイスより2編〜
2007.03.12
親友
ローアまゆみ
 小学校6年の国語の授業で 「 将来なりたいもの、したいこと 」 というテーマで作文を書かされた。私のは 「 親友がほしい。 」 という内容。ちょっと奇を衒ったのかもしれない。
  「 ねえ、何を書いたの。親友って書いたんでしょ。チラッと見えたのよ。」 その頃の友達が言った。適当にごまかす。
  詳細は忘れた。どうも教師は心配したのだろう。手紙で何か書かれ、それに また返事をしたことを覚えている。

 やたら本を読んでいた。うちに 『 少年少女世界の名作文学 』 が毎月届いていた。「 狭き門 」 を完全に読み間違えたのはこのシリーズのせいだ。「 足長おじさん 」 はバイブルだった。
  今でいういじめ的なことで村八分され、学校図書館の本をほとんど読んでいたと思う。
  「友達は素晴らしい。」ということは どこにでも散りばめられていた。頭がよいか美人か 両方というのが 私の好きなタイプだった。

 小学校を卒業してからも続いた関係はない。
  一人は 短大卒業後 無理心中の犠牲になった。駅で見かけた時の 真っ赤なマニキュアの指が印象に残っている。彼女からの借りっぱなしの本はどうなったのだろうか。
  一人は医者になったか、医者に嫁いだか どっちかだろう。
  あとの二人は まったく不明だ。  

  中学校、あまりに期待が大きく、落胆はげしい。「親友と語り合う。」ことは無い。
  高校、何も見つからなかった。「武蔵野婦人」に救われた3年生の夏はあまりに寂しい。
  太宰治からロシア文学へ。
  アンナ・カレーニナに友はいない。

 
写真
 
 (今回の “ 詩の庭 ” は、本サイトの「エッセイ募集」にご投稿いただいた作品の中から、2編をご紹介します)
 ■ 高島飛行機  作・おしかわ えみ  本文を読む
 


トップページ会社紹介著作権についてお問い合せ
Copyright (c) Flying Garden Rights Reserved.