エッセー応募作品
2008.05.12

ちょっとってどのくらい?

クッビィ(ペンネーム)


 「だから、ちょっとにしておきなさいって言ったでしょ!」
 「ちょっとにしたもん!」
 
 我が家で、毎日のように繰り返される会話だ。これは、おやつの量のことで、長女はおやつを食べ過ぎると、夕飯が入らなくなるのだ。量を決めてお皿に入れれば良さそうなものだけど、二人いる娘のそれぞれにお皿に入れて渡すと、次女が姉より自分が少ないことに文句を言うのだ。でも、四歳も違う姉妹だから、姉と同じだけおやつを食べてしまったら、今度は次女が夕飯を残してしまう。だから、一つの器で、長女に「ちょっとにしておきなさい」と言うのだけど、この「ちょっとにしておく」のが難しいらしいのだ。
 


 だいたい、この「ちょっと」ってどのくらいの量かということに問題があるらしい。
 出したおやつがなかなか無くならないから、「美味しくなかった?」と聞くと、
 「ちょっとって言ったから、一個しか食べてないもん。」なんてことになる。「ふーん、じゃ、もう要らないんだ。」長女の目にみるみる涙が盛り上がる。「欲しいもん! ママが食べるなって言ったぁぁぁ。」長女は、ものすごい反抗期で、ちょっとした言葉尻を捕らえては、怒る,ひねくれる,泣く・・・。大騒ぎになるのである。
 
 「ちょっと」が問題なるのは、これだけではない。
 「ちょっと待ってて。」「ちょっとやっといて。」「ちょっと持って。」
時計もよめない子供に、この「ちょっと」を理解することはものすごく難しいらしい。ママの「ちょっと」と自分の「ちょっと」が全く違うらしいのだ。

 おやつは、二人分を分けて渡して、長女にはお代わりをさせることで何とか解決した。時間も、大きな針がどこに来るまでときちんと伝えることにした。出来るだけ「ちょっと」を使わないように努力することにしたのだ。これで、すっきりしたように思えた。
 夕方、お隣の奥さんに会って、「お出かけ?」
 「うん、ちょっとそこまで。」
 「ママ、ちょっとそこまでってどこまで?」
いったい、どこまでだろう???
 


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