そら飛ぶ庭
   

【知の庭】
2008.06.23
宇喜多秀家が造った
自然石使用の岡山城


簡素な味わいの古窯、備前焼
ヤーリーやパスクラサンなど豊富な果物


写真1


■岡山城

 岡山城は、戦国時代の慶長2年(1597年)に、備中、美作に勢力を伸ばしていた宇喜多秀家が築城した。天守閣の横に塩蔵があり、会津城、松本城などと並ぶ関ヶ原以前の様式で造られた城である。秀家の築城以降、小早川氏、池田氏により、拡張、整備がおこなわれている。
 宇喜多秀家は、石山城の地を、活動の拠点とすることを決めたが、そのときの城は館ほどの規模だったので、大改築に取り掛かって、岡山城を完成させる。
 岡山城は平野の中の小高い所に築いた平山城である。本丸は本段、中段、下段に分かれていて、本段の中心は天守閣で、そのほかに御殿がある。本丸の西方向に、二の丸、西の丸が配置されている。
 旭川が本丸を囲むように蛇行していて堀の役目をし、本丸の防備を補完している形になっている。石垣は自然石を加工しないで積み重ねた「野面積み」で、宇喜多時代のものが残っている。


■後楽園

写真2

江戸時代を代表する大名庭園で、第6代藩主の池田綱政が元禄13年(1700年)に、家臣の津田永忠に、命じて造らせた。回遊式庭園で、園内には、池や築山があり、その間を巡らせる趣向になっている。
 自然石や季節の花木、灯篭などが園路の、要所にうまくあしらってあり、さらに水路には優雅な姿をした橋も造られている。園内には唯心堂などの庭園観賞のための建物も配されている。その優れた造園技術は評価が高く、国の特別名勝に指定されている。水戸の偕楽園、金沢の兼六園とともに日本の三大庭園の一つに挙げられる。


■備前焼

写真2 写真2

 備前焼の歴史はおよそ千年にわたるといわれる。瀬戸、越前、丹波、信楽、常滑に加えて備前焼を日本六古窯(こよう)と呼ぶ。しかも、備前焼はその古窯の中でも最も古く、伝統を持っている。
 簡素で、絵付けはなく、釉薬(ゆうやく)もかけていない。簡素の中にも美をたたえていて、土の風合いを生かして、炎の加減などの技で、作品を生み出す。
 備前焼は「一土、二焼け、三形」ともいわれ、土つくりが基本となっている。備前焼に使用される土は、備前市の伊部から香登あたりの「水田」の底深いものを使用、有機物や鉄分を多く含んでいる。土は、取り出した後,水分を抜いたうえで、山の土や黒土を混入させて、陶土をつくる。
 窯の中の、炎や灰の影響でつくられる模様である「窯変」が備前焼の面白さで、大きな魅力となっている。

■吉備の酒

写真2 写真2

 意外にあまり関東では知られていないが、吉備には名酒がある。「古人の飲へしめたる吉備の酒 病めばすべなし貫簀賜らむ」と、万葉集にも詠まれている。
 山田錦など日照時間が長い吉備の田で作られた酒米を使用して、水も旭川、高簗川、吉井川の三川をもつ岡山は豊かにある。水質の良し悪しは酒造りの基本でもある。中国山地の花崗岩質、石灰岩質の土壌を通り抜けてきた水源は、雑味がなく柔らかい味を出している、との評判だ。
 吉備の酒を素朴な味のある備前焼で飲むと最高の味わいが出そうだ。


■朝市とフルーツ

写真5

 倉敷駅前の商店街に早朝から出現する朝市には豊かな果物が並ぶ。日照時間が長い吉備で採れる果物は種類が多い。朝市では生産者がやってきて売っているので、岡山弁をじかに聞けて、会話も楽しい。「くらしき朝市 三斎市」がそれだ。

写真5
ヤーリー梨

 桃太郎伝説もある岡山では、まず桃であろう。「ヤーリー」という新種の梨にもあえる。マスカットに、富有柿、ミカン、リンゴ、イチジク。また、フランスで生まれて、明治の中ごろに岡山に入ってきた「パスクラサン」というという果物もある。



 
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