【知の庭】 おらが藩
2007.03.26
Vol.8 尾張藩(名古屋) 知恵を教える名古屋カルタ 尾張藩の下級武士が考案 教訓いろは喩え、百人一首が源流
 百人一首に代わる江戸の遊びとして、「 いろはカルタ 」 が生まれた。「 犬も歩けば棒にあたる 」 といった内容のものだ。もともとこれは江戸庶民の子供たちが、手習いの初め、かな文字を覚えるために便利に使ったりしたといわれる。
  公家社会のあった京都で最初に生まれ、やがて江戸にも伝わった。江戸カルタは分りやすく教訓的な内容が多かった。寺子屋を軸にカssルタははやり、地域の生活などを歌ったものが多い。
  カルタの源流は、百人一首だけではなく、欧州から入ってきたトランプなどの影響も受けている。江戸中期になり、絵と文字をあわせて日本版のカルタ、「 教訓いろは喩え 」 が生まれた。
 
 「 尾張版いろはカルタ 」 の考案は尾張藩の下級武士だった小山駿亭で、町人の子供を教える傍ら、子供の親たちに頼まれて作ったといわれているが、真偽のほどは定かではない。
  カルタには、その土地、土地の特徴がが現れていて面白い。京・大坂といった上方のものは例えば 「くさいものに はいがたかる 」 と現実的に読んでいる。これに対し、江戸のものは 「 くさいものにふた 」 と直接的な教訓版。尾張版といえば 「 くわほうは寝て待て 」 と知的に考えていて、しかも財を待っている。名古屋人の知恵と生き方がこのカルタにも十分出ているように思う。
 
【江戸】 いぬも歩けば棒にあたる
  【尾張】 一を聞いて十を知る
  【上方】 一寸先は闇
【江戸】 論より証拠
  【尾張】 六十の三つ子
  【上方】 論語読みの論語知らず
【江戸】 花より団子
  【尾張】 花より団子
  【上方】 針の穴から天覗く
【江戸】 憎まれっ子世にはばかる
  【尾張】 憎まれっ子頭堅し
  【上方】 針の穴から天覗く
【江戸】 骨折り損のくたびれ儲け
  【尾張】 惚れたが因果
  【上方】 仏の顔も三度
【江戸】 屁をひって尻すぼめる
  【尾張】 下手の長談義
  【上方】 下手の長談義
【江戸】 年寄りの冷や水
  【尾張】 遠くの一家より近くの隣
  【上方】 豆腐に鎹
 
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イラスト 長宗我部 友親  (ちょうそがべ・ともちか)
親房系長宗我部家の十七代。通信社の記者を経て、現在株式会社企画の庭の代表取締役。著書に『なごやの忘れもん』、『街かど経済入門』などがある。
 


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