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国内旅行
諸藩見聞録
第11回【 加賀藩(石川県)・後編 】  加賀に生まれ、そして育った多彩な文化
 金沢は文化都市のイメージが強い。作家、哲学者、歌人、書家など多彩な人物を生んでいる。特に、教育面での伝統がその背景にはありそうだ。
 
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  旧第四高等中学校は現在、石川近代文学館となっている。 (写真提供・石川県)
   
 明治19年(1886年)に帝国大学令が交付された。その際には北海道、沖縄を除いて、全国を5区に分けて、それぞれに高等中学校が設置された、金沢にも翌20年に石川専門学校を前身として第四高等中学校が創設された。この際、金沢医学校が 「 四校医学部 」 として併合されている。さかのぼれば四高は、加賀藩の藩校である明倫堂につながる。明倫堂は前田治脩が寛政4年(1792年)に文武の修行所としてつくったものの一つ。 
 明倫堂は武士の子弟だけではなく、広く町民にも門戸を開けていた。藩校をつくるための布達を見ると、「 諸士は勿論町在之者迄も志次第学校へ罷出 」 とある。
  第四高等中学校は後の金沢大学教養学部へとなってゆく。この四高からは徳田秋声、井上靖、正力松太郎らが育っている。赤レンガ造りの四高の校舎は現在も残っていて、石川近代文学館として使われている。
 
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  山中温泉鶴仙峡(写真提供・石川県)
   
  加賀には松尾芭蕉も訪れている。奥の細道の旅の途中、山あいの温泉である山中温泉に、逗留している。ゆっくりと湯につかり素晴らしい山中の景色を眺めて、旅の疲れを癒したようだ。次の句を詠んでいる。
 
山中や 菊はたおらぬ 湯の匂
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  真言宗の名刹・那谷寺(写真提供・石川県)
芭蕉は真言宗の名刹である、那谷寺にも訪れている。その際の句も知られている。

石山の 石より白し 秋の風
 
 加賀は、文学になじみの深い土地柄で、多くの作家を生んでいる。金沢市の中心を流れる犀川は、友禅流しで有名だが、その犀川から名前をとったのが、詩集 「 抒情小曲集 」 などの室生犀星である。犀星は生後すぐ犀川河畔の雨宝院の住職の養子とされ、川のそばで育った。ほかに 「 照葉狂言 」 などの泉鏡花、「 爛 」 などの徳田秋声らもいる。文学者以外でも 「 善の研究 」 の哲学者、西田幾多郎がいる。金沢が好きになり、移り住む人も多く、作家の五木寛之もそのひとりだ。
 
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  日本三名園の一つ、兼六園・夏の風景
(写真提供・金沢市)
   
   
  金沢といえば、 加賀藩第 5 代藩主であった綱紀が、金沢城の外庭として瓢池を造り、以後 170 年という長い時間をかけて完成した兼六園が名園 として知られる。不老不死と永遠の繁栄が造園の意図とされる。庭には日本最古ともいわれる噴水があり、橋や石、茶室などが一定の間隔で配 置されていて、ほぼ一年中、花や樹木の色づきなどが楽しめる。
 また、日本海に面していることから、新鮮な魚介類も楽しめ、寿司も美味い。日本料理の伝統を受け継ぎ、茶屋文化も続いている。利家以来、茶 道の流もあり、和菓子なども多彩だ。