【趣の庭】沖縄・黄金(くがに)の庭
2009.8.10    
鍾乳洞で極上の泡盛を熟成
求めるモノは「涼」よりまろやかさ
3年以上寝かせたものが「古酒(クース)」

林 秀美

ごぶさた続きで、失礼しました。
南の島の・黄金の庭から、暑中お見舞い申し上げます。

「冷夏」という言葉がニュースに登場し始めた昨今、
今年の沖縄は、日照不足の地域に分けてあげたいぐらいの、太陽ギラギラな日々。

沖縄の言葉では「ティーダ(太陽)・カンカン」といいますが、
かわいい語感に似合わず、泣きたいような暑さが続いて、へろへろです。

鍾乳洞 入り口
ここが入り口。ヘルメットもヘッドライトもいらないよ。

先日の「日食」の際、
沖縄で観察できたのは、部分日食でしたが、
それでも最大に欠けた時間には、辺りがうす暗〜くなり、
スゥ〜ッと涼しくなりました(実際、気温も1度ほど下がったそうです)。

暑苦しさを倍増させるセミたちの大合唱も、その時間だけは小休止。
不思議な涼しさと静けさに包まれて、
「毎日、日食がいい!」と真剣に思ったりしましたが。

さてさて。
長い前置き、失礼しましたぁ。

何が言いたかったかというと、今年の沖縄は、暑い!
たぶん、いつもと同じように暑いのだけど、
オトシのせいだかなんだか、今年の暑さは、ちょっと格別。

で。
「涼」を求めて、島をうろうろ……。

ふふふ。オトナの避暑地を発見しましたぜ。
本島北部の、金武(きん)鍾乳洞。

洞窟の中の泡盛
洞窟の中で静かに熟成を続ける泡盛たち。
洞窟は龍神信仰の発祥地とされ、
古くから地元の人たちの祈りの場としても親しまれています。

そこで待っていてくれるのは、
ひんやりした空気と、至福の時を待つ泡盛!

そう、沖縄の地酒・泡盛は、
熟成させればさせるほど、まろやかさが増し、味わい深くなるお酒です。

蒸留後3年以上寝かせたものは「古酒(クース)」と呼ばれ、
できたての泡盛とは一線を画す、別格のものとして扱われます。

特別なお祝いの日やたいせつな記念日に、甕から、少しだけ。
うやうやしく汲み出して、ありがたく味わう。

クースは、そんな存在として、
沖縄の人々にこよなく愛されています。

そして、その熟成方法は、
まさに十人十色。

暗くて涼しい床下安置派もいれば、
「酒は生き物」だからと、人間と同じ環境に置く派もいる。

酒造りのプロである酒造所を見ても、
昔ながらの甕貯蔵で、静かに熟成させるところから、
ステンレスタンクに貯蔵した酒にクラシック音楽を聴かせて熟成させるところ、
近年では、深海に沈めて、なんだか知らない海の力を借りるところもあるそうです。

そんななか、
金武酒造は、泡盛を洞窟で熟成させています。
地下30メートルの鍾乳洞の中は、おおむね18度。
年間を通して温度変化が少ないのも、洞窟の特徴だそうです。

地下への階段を下りていくと、ひ〜んやり。
長さ270メートルという洞窟内には、所狭しと棚が設けられ、
6000本を超える泡盛が、静かに熟成されています。

湧き水湧き水
町の文化財にも指定されている『金武大川(きん・うっかがー)』。
こんこんと湧き出る水は、一日1000トンにもなるそう。
木陰の湧き水、ここも絶好の避暑地!

金武酒造の代表的な銘柄は『龍』。
ふわっと柔らかい飲み口で、甘みがあるのが特徴です。
地元の湧き水を使っているからこその、味わいだということです。

観音堂
洞窟は、この「金武観音堂」の境内の地下にあります。

避暑がてら、観音堂や洞窟を訪れて、マイ古酒の申し込みをしてみては?
(受付は、現地でのみ可能)


[金武酒造・古酒蔵]
金武町字金武222
TEL/098-968-8581
年中無休
『龍』一升瓶 5年貯蔵 1万円


林 秀美(はやし ひでみ)
1961年、香川県生まれ。
沖縄在住・フリーランスライター。大阪〜東京の出版社勤務を経て、フリーに。97年、唐突に沖縄に転居。沖縄で初めて出くわす、この地ならではの習慣などを面白がっているうちに10年経ってしまった。主な共著に「沖縄のナンダ(シリーズ)」(双葉文庫)、「沖縄オバァ烈伝(シリーズ)」(双葉社)、「沖縄なんくる読本」(講談社)など。

 


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