【趣の庭】沖縄・黄金(くがに)の庭
2008.10.27  
収穫よりも、芸術の秋!

焼き芋の行方は……?  知念の畑・その4

林 秀美   

写真1
半島のあちこちの会場で賑わいを見せた「半島芸術祭in南城」。
畑の収穫物も鑑賞できるのか!?


■淡い期待とともに

『半島芸術祭in南城』なるものが開催された。

沖縄本島南部の南城市。
知念半島に位置し、畑のオーナーにして木工作家である城間さん率いる『木造舎(きづくりや)』をはじめ
陶芸や染織など、多くの作家が創作活動を繰り広げているエリアとしても知られている。

半島芸術祭は、それぞれの工房を拠点にしながら、
知念半島全域を会場に見立てて行う、初めてのイベントだ。

前回ちょろりと書いたが、
このイベントで、畑の収穫物をふるまおう、という計画が浮上。

キモチ的には、イベント前にイモを収穫し、
1週間ほど寝かせてから、ホクホクの焼きイモを……、
という計画を立ててみたけど、ちょいと都合がつきかねた。

で。畑を訪れたのは、イベントまっただ中の10月20日。
あわよくば、収穫の苦労なしで
「オイシイとこ」だけ、いただけるやもと、
コソクにして、みみっちい野望を抱いて来たのだ。

写真
前回書いた「畑の副産物」で作った、ほうきも展示。
この「チガヤ」を使った、ほうき作りの体験コーナーも人気を呼んでいた。

■ これは根っこ?

木造舎のギャラリーは、
多くのお客さんで賑わっていた。

おっ、すごい。
……で、焼きイモは?

ゲージュツよりも、まずは食欲、という我が身が情けないが、
早速、ギャラリーと畑のオーナー・城間さんに訊いてみた。
けれど、もにゃもにゃと、なんだか嬉しくない言葉が続くばかり。

「ちょっと畑を見てきまーす!」

見慣れた雑草だらけの畑を想像していたけれど、
畑の半分はきれいに草抜きが行われ、
イモの葉が青々と美しい。


写真
私たちがサボっている間に、
誰かがきれいに雑草をとってくれた畑。

さぁ、いよいよ収穫だー!

前日の雨で、粘土質の畑はネットリ重たく湿っている。
ザクザク掘り返すクワの重いこと重いこと……。

ホントは、この粘土質の土壌はイモには向いておらず、
サトウキビなどの栽培に適しているのだとか。

えー、今さら、ンなこと言われても……。

で、汗だくだくで掘り当てたものは。


写真
記念すべき(はずの)初の収穫物。
きれいな色なんだけど、
イモ(と呼べるのか?)の直径は、ほぼ1センチ。
とほほ。なんだかねー

「これは根っこ?」と言いたいキモチを飲み込んで、
意味もなく、そーっと畑に戻しておいた。

これはナニカのマチガイに違いない。
茎や葉っぱの繁り具合を見て
(見ても、実は、よく分からないんだけれどね)
別のイモを掘ってみることに。

写真
手のひらサイズのイモが出てきた。
けど、1個じゃね。うむむー。

うーん。
青々とした葉っぱが広がる畑を前に、
本日の収穫は、早々とあきらめた。

葉っぱがこれだけ元気なんだから、
もうしばらくガマンすれば、「根っこ」も太るんじゃないか?

期待をむなしく次回につないで、
今回は「ゲージュツの秋」を堪能した、ことにしておこう。


林 秀美(はやし ひでみ)
1961年、香川県生まれ。
沖縄在住・フリーランスライター。大阪〜東京の出版社勤務を経て、フリーに。97年、唐突に沖縄に転居。沖縄で初めて出くわす、この地ならではの習慣などを面白がっているうちに10年経ってしまった。主な共著に「沖縄のナンダ(シリーズ)」(双葉文庫)、「沖縄オバァ烈伝(シリーズ)」(双葉社)、「沖縄なんくる読本」(講談社)など。

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