【趣の庭】沖縄・黄金(くがに)の庭
2008.8.11 
  知念の畑で汗だく
イモを植え、
雑草にアタマを悩ませる

林 秀美   

■「イモ植えるよ〜!」
唐突な誘いを受けて、本島南部(旧・知念村)に走った。
庭を持たない我が身は、人んチの庭で遊ばせてもらうのだ。

走った先で待っていたのは、
「ひと山丸ごと」と言いたい、広い広〜い畑。

「はい、これね」と無造作に積まれたイモの葛を指さす人は
「木創舎(きづくりや)」を主宰する、木工作家の城間光雄さん。
http://www.kizukuriya.com/

何年か前、工房のすぐそばに大きなギャラリーを建て、
ついでに、ギャラリーの裏山を畑にするのだ、とは聞いていた。

写真
ギャラリー
リュウキュウマツなど、県産の木材を使った作品。
曲がりや節など、木材としては使いにくい素材の持ち味を生かした
大らかな作風が大好き。

本を作るのがシゴトの私は、取材と称してギャラリーを訪ね、
草ぼうぼうの山が「畑」になる日を待っていたのだ。

そして、誰か知らない人の手で山が畑に変わり、
お呼びがかかったのが、5月下旬。

ほいほい出かけて、植えてきた。

写真
5月のいも
写真
5月の畑
イモのツルを適当にチョン切って、サクサク土に挿していく。
15m×7mほどの畑仕事は、ほぼ半日がかりで終了。
予想以上の重労働。

沖縄で「イモ」と言えば、ほぼ100%「紅イモ」のことだ。
うっかり「あ、紫のサツマイモですね」などと口にして、
「サツマじゃない!」と怒られたこともある。

イモは、薩摩より先に、中国から琉球にやってきたのだそう。

(沖縄のイモの詳しい話は、
 [【健の庭】沖縄の赤いも]をご参照くださいね)

■ 2か月で雑草畑!

植えたその日に「収穫はいつですかぁ?」などと訊いて、
「その前に、草取り!」とたしなめられた。

そんなわけで、2か月後。
8月の炎天下、ケナゲにも草取りに出かけたのだ。

はぁぁぁぁ〜。

なんとたくましい草たちよ。
グレーの土に緑の点々だった畑は、
一面の緑に覆われているではないか。

写真
8月の畑
あ、あの? イモはどちらに……?
そのまま帰ってしまおうかと思うほど立派に育った草の畑。
(5月の畑と見比べてみてね)

そのまま帰るのもシャクだしな。えーいっ、もう。
覚悟を決めて、草の畑に入る。

あ、その前に、ひとつ確認だ。
「あのー、ハブは……?」

そう、沖縄には猛毒のヘビであるハブがいる。
畑仕事中に噛まれるケースが少なくない、とはよく聞く話。
こんな草ぼうぼうの場所、ハブが隠れていたっておかしくないよな。

「これだけ暑いと、ハブもいないさー」

きっぱり言い切られると、言葉が出ない。
炎天下の畑にしぶしぶ突入だ。

■ どれが雑草?

突入した畑は、脇で突っ立って見る畑とは
ちょいと違う顔をしていた。

イモはそれなりにスクスク蔓を伸ばし、
フクザツに雑草たちと絡み合って、
ややこしいことこの上ない成長ぶりだったのだ。

おいおい、緑の人たち、
私は、どれを抜けばいいの?

イモの蔓をかき分けて、その間で大きな顔している草を引っこ抜く。
かき分けるイモの蔓は、隣の畝から伸びてきていたりするし、
草は草でリッパに育っているので、
力を込めて引っぱらないと、抜けやしない。

写真
雑草とイモ
一見すると、なにがナンだか状態。
帰りた〜い!

ほへー。
農家の人たちって、なんてスゴイ仕事をしているのだ……。
無感動に野菜を食べていた我が身をちょっと反省。

反省しつつ、
がむしゃらに、イモ以外のモンを引っこ抜いていたけれど、
あれれ? と気付けば、見たことある葉っぱも混じっているぞ。

イモに混じって、黄色い花を咲かせているのはカラシナだ。
よく見ると、なんだか知らない雑草も、
イマドキ貴重な「雑穀」に見えてきた。


写真
黄色い花を付けているのはカラシナ。
チャンプルーなどで食卓に登場する頻度の高い野菜だ。

写真
これは、なんだかわからないけれど
ツブツブのところが「雑穀」っぽくない?

城間さぁぁ〜ん、
雑草に見えなくなってきたので、
今日の草取り、やめてもいいですかぁ〜?

そんなわけで、
草取り作業は中途半端に終了!
写真
8月草取り後の畑
どこの草抜いたの? と思われそうな畑。
左端のグレーの土が見えている部分だけで、この日は断念。

写真
本日のファーマーたち。
左端が、木工作家にして畑のオーナー、城間光雄さん

さぁて、こんな畑で無事、収穫はできるでしょうか?
乞う・ゴキタイ。

林 秀美(はやし ひでみ)
1961年、香川県生まれ。
沖縄在住・フリーランスライター。大阪〜東京の出版社勤務を経て、フリーに。97年、唐突に沖縄に転居。沖縄で初めて出くわす、この地ならではの習慣などを面白がっているうちに10年経ってしまった。主な共著に「沖縄のナンダ(シリーズ)」(双葉文庫)、「沖縄オバァ烈伝(シリーズ)」(双葉社)、「沖縄なんくる読本」(講談社)など。

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