【趣の庭】軽井沢便り
2013.6.11     
Karuizawa Journal

9局打っても打ち足りない

軽井沢で囲碁三昧、美食三昧

荒井 久  

囲炉裏で竹井師匠(左端)の料理を囲む


  久方ぶりに軽井沢で小さなイベント。昔の仲間と囲碁三昧。加えて、日本料理の師匠にお出まし願って美食三昧と相成った。そういえばこのコラムは「軽井沢便り」。それなのにこのところ、始めたばかりのカフェレストラン「晴れ晴れ家」騒動のことばかり。今回ばかりは正真正銘「軽井沢便り」をお届けする。

 僕はもう30年以上も前に囲碁初段を取ったものの、実力はそのまんま。なんと言う体たらくなのだが、仲間も同じようなもの。ただし、そのうちの一人、渡辺彰三さんは昔の3級から今や強い初段になった。もう一人の田中善一郎さんは僕と同様、昔の初段のままだ。二人とも専門誌「日経エレクトロニクス」で大活躍、その後も技術雑誌の隆盛を切り拓いた。もう一人は僕が「日経ニューメディア」「日経コミュニケーション」編集長時代の取材先であった通信会社の役員、清水義紀さん。僕とはもう25年も前から初段同士で打ち続けている。いわば格好の碁敵だが、やんちゃな僕に優しく付き合ってくださる。

対戦を楽しむ、左から田中氏、清水氏、渡辺氏

 この3人とは晴れ晴れ家で月に1回「晴れ晴れ碁会」を楽しむ。そこでたまにはと「軽井沢ヴィラArai」にお誘いしたのだった。ならばともう一人お誘いした。僕の料理の師匠、竹井芳春さんだ。僕たちは囲碁に専念し、竹井さんが美食を作ってくださるという、とんでもない贅沢旅行なのだ。

対戦は真剣そのもの。すぐにのめり込む

 あとで僕がブログなりなんなり書いてもいいだろうかと、皆さんにはあらかじめ問い合わせた。すると異口同音。もはや何のしがらみもない、写真も固有名詞もどうぞご自由にと。ただし、成績だけは武士の情け、残さんでくれ、とのこと。考えてみたら、67歳以上の皆さん、平均年齢は約70歳の面々だ。

「山長」で新鮮魚を仕入れる

 6月5日早朝、清水さんは横浜から車で出発、晴れ晴れ家にやってきた。そこで待ち合わせた竹井さんと僕は、この地元で有名な魚屋「山長」へ。ここでなんと、5キロのヒラメに出会う。千葉県沖から今朝、築地市場に入荷したものだそう。さらに脂の乗り切ったイワシも購入して、いざ出発。首都高速から一路「関越道長野線」で軽井沢に向かう。

「山長」で5キロのヒラメに出会う

 途中、藤岡ジャンクションでいったん高速を降り、「ららら藤岡」パーキングで採れたて野菜を求める。このパーキングは、上りでは高速を降りずに買い物ができるが、下り線ではそれができない。ちょっと残念だが、ここの野菜市場の魅力はたまらない。3人で好きなものを買い込んだ。

「ららら藤岡」で新鮮野菜をどっさり買い込む


 新幹線でやってきた渡辺さん、田中さんを12時50分、軽井沢駅で出迎え。北口の居酒屋「関所茶屋」で昼食をとる。僕がよく通っていた店だが、なんと3年振りくらいだったみたい。幸い、店に変わりはなかった。

5キロのヒラメはお刺身に

 さて早速、軽井沢ヴィラAraiに到着するやいなや対戦が始まる。しこしこと料理に打ち込んだのは竹井さん。ありがたや、ありがたや。とにかく5キロのヒラメがメイン。極上にして食べきれない量の刺身。脂の乗ったイワシの焼き物。旬の野菜サラダ、旬の野菜スープ、山芋の月見など。

新鮮サラダもどっさりいただく

 対戦を意識してか、皆さん、あまり酒は飲まない。夕食もそこそこにすぐに対戦に向かう。この日、僕は4戦。成績は公表しない約束だが、僕は1日目、3勝1敗の好成績。

ズッキーニ、大根などの一夜漬け

仏手甘みたいな形の山芋を刻んだ月見


 翌日、僕は不振に陥る。ちなみに全員が初段として対等での対戦。囲碁は細かなハンディを付けて対戦することができる。「一目置く」は囲碁からの言葉だ。対等の場合、「握り」と呼ぶ。白石をどちらかが複数個を握り、手を開く前に対戦相手が握られた白石が奇数個か複数個かを宣言し、その当たり外れで白番か黒番かを決める。黒番の方は先に打つから有利で6目半のハンディを背負う。これで平等という訳だ。

渡辺さんとは2勝3敗と負け越し


 僕はなぜか渡辺さんとの対戦に燃えてしまい、5局も打つ結果に。しかも2勝3敗と負け越した。2日間の合計で僕の成績は5勝4敗。なんと9戦。「死ぬほど打った気分」だが、まだまだ打ちたい。もう1泊を主張したが、みんなから却下。対戦成績は、みんなも似たり寄ったり。勝ったり負けたりだが、激しく楽しい。

竹井師匠作の「蕎麦がき」


 翌日のお昼には、竹井さんが絶品の「蕎麦がき」を作ってくれた。トマト味、胡椒味の「蕎麦がき」。そんな名品は初めての経験だった。美味い。環境もよかった。外からは軽井沢の緑の風が吹き込む。2日間を通じて歓迎してくれたのが、姿は見せなかったものの盛んに鳴き続けた「雉(キジ)」。「雉も鳴かずば撃たれまい」。渡辺さんがつぶやいた。そういえば、途中、僕は語りすぎて負け越したかも。

外からは爽やかな緑の風が舞い込んだ




荒井 久
1945年、長野県生まれ。1968年、東京電機大学電子工学科を卒業して日本経済新聞社に入社。日経BP社で日経ニューメディア編集長、日経コミュニケーション編集長などを歴任。「コンピュータ・テレフォニー」「ビットバレーの鼓動」「モバイル・インターネットの鼓動」「Web2.0の鼓動」など著書多数。02年、株式会社ソリック(www.soriq.jp)を設立、代表取締役として現在に至る。09年1月、ソリックブックスとして藤原忠彦著「平均年収2500万円の農村」を刊行。08年06月から軽井沢の貸し別荘「軽井沢ヴィラArai」( http://www.karuizawa-villa.com )を、さらに09年6月からは、長野県下の名産物をネットで販売する「採れたて長野」( http://www.rakuten.co.jp/toretatenagano/ )を経営している。
12年12月から東京都文京区根津で、ベジタブルダイニング「晴れ晴れ家」を経営。

 
 
 


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