【趣の庭】軽井沢便り
2012.3.13     
Karuizawa Journal

春はシラー・ペルビアナと共に

その名を、やっと探し当てた。

荒井 久  


   まずは最初に、お詫びしなくてはならない。この花に出会ったのは南青山に移り住んだ12年ほど前のことだ。前の住人がルーフバルコニーにある広めの花壇に植えていたものらしく毎年、真冬に芽を出した。その芯から花芽がつき出して、4月にはご覧の見事な花を咲かす。お詫びは、長い間、その名前を間違えていたことだ。



 調べに調べて今日ようやく、それがシラー・ペルビアナだということがわかった。耐寒性のある多年草のゆり科(ヒアシンス科)だという。写真は昨年4月中旬に咲いたもの。全体ではこんな感じの花だ。ブログで「いよいよ咲きます」と書いたのは、2011年4月16日のことだ。
http://ameblo.jp/toretatenagano/entry-10863108837.html

 その数日前、こんな風に咲き出したのだった。なんとも可愛い。その時は、この花の名前を「ペガサンサス」と僕は呼んでいた。

  最初にブログにしたのは、2007年4月28日のことだ。約6年前、南青山のマンションから出る時に1株、こっそりと鉢に移していただいてきた。その1年後に見事に花を咲かせたのを機に、ブログに「名前を教えてください」と書いた。「アガパンサスでしょう」。すぐに友人から連絡があった。

 それから2年ほど咲かなかったことから、僕の頭に残っていたのは「アガパンサス」ならぬ「ペガサンサス」。ここから僕の間違いが始まった。以来、僕はこの花を「ペガサンサス」と呼び続けてしまった。ネットにはそれが残っている。今回、「そら飛ぶ庭」の執筆に当たって調べてみた。かようにブログというのは気軽に書いてしまって危ない。

 昨日会った友人も写真を見せたところ、「アガパンサスでしょう」と言われた。ところが調べてみると、それでもないことが判明した。アガパンサスは6月から7月が開花期であり、これとは異なる。姿かたちも似て非なるものと確信した。調べに調べてようやく「シラー・ペルビアナ」であることがわかった。ペルビアナは南米のペルー原産という意味だそうだが、実際の原産地はポルトガルやアフリカの北部、アルジェリアなど地中海沿岸だとネットで解説されている。
http://yasashi.info/shi_00034.htm

  ところで、今シーズンに限っては、こんな芽を出したのは昨年10月3日のことだ。いつもは冬に、しかも少しだけ春を感じる季節に出る芽だったため驚いた。10月下旬には、こんなにも大きく育ってしまった。いつもより2カ月近い早芽。ちょっと異変だ。いったいいつ咲くのだろうか。そして僕は、やっぱり今シーズンは咲かないだろうという気持ちに傾いていた。中心部の覗いてみるのだが、花芽が出る雰囲気がまったくないまま、4カ月ほどが流れた。僕はもうすっかり花は諦めていた。

  その間、不思議なことが起きた。隣同士の葉が仲良くなってくっついてしまった。まるでキスしている雰囲気。その結果、ご覧のように離れなくなって輪を作っている。なんとハートマークを作っていた。花を咲かない代わりに、こんな楽しみを提供してくれたわけだ。


  ところがところが。新芽を出してからなんと5カ月後の3月3日。花芽を発見。キタ――――!という感じなのだ。

 今日(3月10日)はもう、こんな感じに育ってきた。この分だと、いつもより1カ月近く早い開花となりそうだが、待ちに待った開花となりそうだ。

 

荒井 久
1945年、長野県生まれ。1968年、東京電機大学電子工学科を卒業して日本経済新聞社に入社。日経BP社で日経ニューメディア編集長、日経コミュニケーション編集長などを歴任。「コンピュータ・テレフォニー」「ビットバレーの鼓動」「モバイル・インターネットの鼓動」「Web2.0の鼓動」など著書多数。02年、株式会社ソリック(www.soriq.jp)を設立、代表取締役として現在に至る。09年1月、ソリックブックスとして藤原忠彦著「平均年収2500万円の農村」を刊行。08年06月から軽井沢の貸し別荘「軽井沢ヴィラArai」( http://www.karuizawa-villa.com )を、さらに09年6月からは、長野県下の名産物をネットで販売する「採れたて長野」( http://www.rakuten.co.jp/toretatenagano/ )を経営している。

 
 

 


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