【趣の庭】軽井沢便り
2012.1.24     
Karuizawa Journal

全土がオーガニックのオーストラリア

牛肉、野菜、フルーツを楽しむ

荒井 久  


  正月休みは、南半球はオーストラリアに飛んだ。これまで仕事も遊びも縁がなく、僕にとっては初めてのオーストラリアだった。そのオーストラリアはなんとも広大。ヨーロッパの面積の約2倍もあることも初めて知った。そのオーストラリアで訪ねたのは東北部のケインズ。ここに7泊した。


  南半球は日本と逆で夏。とは言え、ケインズはかなり赤道に近く、まあ常夏の感じ。12月から雨季に入ったものの、雨と晴れは半々ぐらい。だが、急なスコールにも襲われたりの8日間だった。小さな街で、その中心街のホテルだったこともあり、街のことはかなり詳しくなった。

  何はともあれ、朝市に行かねば。ネットショップ「採れたて長野」を運営する身でもあるから、まずは、僕の興味はそこにある。農産物を中心にした立派な朝市。毎週金、土、日曜日だけの開催だが、その豊富な農産物に驚いた。夏だから夏物果物、夏野菜はもちろんのこと、冬果物、冬野菜も並ぶ。さすがに広大なオーストラリア。全国各地から全シーズンの恵みが届くのだろう。

 実は、意外なことに気が付いた。日本や米国のマーケットであれほど宣伝されるオーガニックの言葉。それが、どこにも見当たらないのだ。その理由がわかったのはしばらくしてから。なんとオーストラリアでは害虫も少なく、広大な土地で栽培するため、ほとんど農薬を使う必要がないというのだ。


 大型機械を使い、広く農薬を散布し、あまり人手の掛からない大型農業をしているだろうとの僕の推測は、とんでもない間違いであったことに気が付いた。それにしても本当に害虫は少ないのか。僕にはまだ今一つ納得できないような気がするのだが、どうやら狭い土地で収穫アップを狙うための農薬使用はしていないということなのか。そうとしか考えられない。

 オーガニックは当たり前だから、どこの農場でもそれを宣伝する必要もない。こんな風に栽培しているのよとばかり、大きな写真が掲載されていた。なにより、自分の農場からの作物を売るみんなが、そこ抜けに明るい。何より野菜、果物が安い。

 マンゴーを買って驚いた。キロ当たりの価格は青めの若いのが1.15ドル、熟した赤めのものが1ドル(80円)だった。安い方は美味しくないのかと聞いてみると、長持ちしないからだと言う。もちろん旨いのは熟した方とのこと。もちろん、その熟したものを求めた。

 その甘さ、旨さに驚く。いったい80円でどうしてこんなに旨いのか。僕は宮崎県の2万円のマンゴーを思い出した。いくらご祝儀価格とは言え、そんな価格、ここオーストラリアでは誰も信じてはくれないだろう。マンゴーでこの80円以上の旨さを求めるだろうか。何も無理せずに、オーストラリアから輸入したらいい。

 ただし、美味しくないものもある。レタスは1個2ドル(160円)前後だが、はっきり言って美味しくなかった。採れたて長野で夏場に販売する川上レタスと比べたら明確だ。藤原忠彦川上村長が、川上レタスを台湾に輸出し、米国産よりも2倍もするのに圧倒的な人気だったという話を思い出した。米国やオーストラリアの方々は、レタスはこんなものと思っているに違いない。日本から輸出して味わって欲しいと思う。そういえば、お米の価格も日本よりも半値か1/3くらいの価格だが、やっぱり美味しくはなかった。

  美味しくて飽きなかったのがビーフステーキだ。Tボーンステーキ、フィレステーキ、サーロインステーキ、プライムリブステーキと。毎日のように食べ続けた。最初はミディアムレアでと頼んだのだが、どうも焼き過ぎの感じ。二日目からは「レアで」を通した。さっぱりしていて、まったくもたれない。

 これも聞いて驚いた。全土で農薬をほとんど使わないから健康的で安全な環境で牛が育つ。牧草地で自由に育つから、もちろん狂牛病など発生するはずもないと言う。脂身の少ない美味しい牛肉。これにも大いに納得したのだった。そういえば、東京でよく通うフレッシュネスバーガーのハンバーガーのパテは全てオーストラリア産を採用しているのだという。同社はブリスベンに独自の処理工場を持ち、そこから輸入している。なるほど。僕はすっかりオーストラリア・ビーフのファンにもなってしまった。

  海岸べりのケインズからレンタカーを借りて西側の内部へ車を走らせてみた。広い道路が延々と続く。その左右は果てしなくつづく牧場。行けども行けどものんびりと牛たちが牧草を食んでいた。これもやっぱり、日本に輸入したらいい。日本の牧場主の皆さんには申し訳ないが、致し方なし。そんな気分にさせてくれる。



  ケインズでいただいたビーフバーガー。その大きさと共に、その旨さにも驚いた。このボリューム。こんなの食べていたら肥満になるのもうなづける。ほとんど例外なく中年過ぎは、男女共に信じられないほどの肥満。その肥満対策で、日本人がお手伝いできることはないだろうか。

荒井 久
1945年、長野県生まれ。1968年、東京電機大学電子工学科を卒業して日本経済新聞社に入社。日経BP社で日経ニューメディア編集長、日経コミュニケーション編集長などを歴任。「コンピュータ・テレフォニー」「ビットバレーの鼓動」「モバイル・インターネットの鼓動」「Web2.0の鼓動」など著書多数。02年、株式会社ソリック(www.soriq.jp)を設立、代表取締役として現在に至る。09年1月、ソリックブックスとして藤原忠彦著「平均年収2500万円の農村」を刊行。08年06月から軽井沢の貸し別荘「軽井沢ヴィラArai」( http://www.karuizawa-villa.com )を、さらに09年6月からは、長野県下の名産物をネットで販売する「採れたて長野」( http://www.rakuten.co.jp/toretatenagano/ )を経営している。

 
 
 


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