【趣の庭】軽井沢便り
2011.5.24     
Karuizawa Journal

ニューヨークでもやっぱりOrganic

ユニオン・スクエアの農場直送マーケット

荒井 久  


 やっぱりニューヨークでもオーガニック農産物に人気。でもこれほどにオーガニックを売り物に軒を並べているとは思わなかった。ニューヨークに来て3日目。ニューヨーク郊外の農場からやってくるというマンハッタン最大の露店マーケット「グリーン・マーケット」を訪ねてみた。

 毎週末の開催かと思いきや、毎週月、水、金、土曜日開催なのだそうだ。ほぼ1日おきだ。しかも朝8時から夕方6時まで開店している。軒を並べるのは野菜、果物、牛乳・チーズ、ジャム、蜂蜜、花、魚、パンなどなど。牛乳関連製品でもオーガニックをPRする。

 野菜類はほとんどがオーガニックをうたう。従来農法から脱出する栽培方法。No pesticides(殺虫剤)、No herbicides(除草剤)、No fungicides(殺菌剤)、No synthetic(化学合成物)などを売り物にしている。どっちを向いてもOrganic、Organicだ。

 僕が運営するネットショップ「採れたて長野」でもオーガニック商品をいくつか扱っているが、はやりもっと拡充、宣伝しなければと確信する。定義にもよるが、日本でのオーガニック農産物の市場は販売額で全体の1%にも満たないと聞く。米国のそれは知らないが、フランスではすでに10%を超えているという。先進諸国を中心に世界的にオーガニックが注目されている。

  それにしてもさすがに美味しそうな新鮮な野菜が並ぶ。それに嬉しかったのは軽井沢でお馴染みの行者にんにくがたくさん出回っていたこと。それに日本で、長野でお馴染みのりんご「ふじ」が大量に並んでいたこと。しかも、とっても美味しかった。なんと、菊芋も出ていた。

 野菜の苗の中で見つけたのがレタスの苗。「採れたて長野」のショップ開店のきっかけになった川上村のレタスを思い出した。しかもこの苗、オーガニック認定と記されていた。それに、「採れたて長野」の「新津養蜂園」でも販売している蜂蜜。ここでは蜂蜜の巣を展示して販売していた。新津さんによれば、蜂蜜そのものは糖度が高いことから殺菌性が保たれているが、そもそも蜂蜜を採取するための蜜蜂を育てるのが問題だという。蜜蜂は以外に弱くて病気になりがち。そのために予防の薬を使いすぎることが多いというのだ。ここではどうだろうか。そこまでの質問はできなかった。

  それと、なぜか写真撮影を断られてしまったが、Organic FarmのOrganicの文字をわざわざ横線を引いてOrneryと修正していた店があった。「怒っている」という意味のFarm。どうやら、Organicの基準を自分らでもっと厳しく作って守っているグループのようだ。やっぱり、安心、安全はどこでも同じ願い。健康問題と共に次世代につながる環境問題でもある。

 今回は、5月の連休を利用して、4月28日から5月8日までニューヨークへの旅。基本的には休暇だが、ネットショップ「採れたて長野」、貸別荘「軽井沢ヴィラArai」を運営する身。自然に関心は農産物に向く。そういえば、ニューヨークは八重桜が咲き乱れ、そろそろ新緑という、軽井沢の気候に似ていた。

 不思議なことに滞在中に米国在住の方から鹿児島県へのお届け物の注文が、「採れたて長野」に入った。ということは、米国へも届けて欲しいかも知れない。たまたま大手メディアのニューヨーク支局長と会食してそんな話をしたら、JETRO(日本貿易振興機構)ニューヨーク事務所を紹介してくれた。それで面会できたのが農漁業担当ディレクターの水谷公一さん。いろいろとアドバイスをいただいた。やっぱり、お米をはじめ、日本の物は美味しいんだからと励まされた。それならば、黒豆菓子の「じょんのび」はどうだろうかと考えたが、日本からの宅配送料が1.5キロまでで7000円であることが判明。ビジネスにするには、なかなか厳しい。

  ニューヨークは仕事では何度か訪問したが、観光では確か2度目(仕事でも通関ではサイトシーイングとごまかしていたのを思い出す)。今回は、セントラルパークとハドソン川に挟まれたアッパーウエストの安ホテルに9連泊。せっかくだからと思い、ブロードウエイのミュージカルを4夜、メトロポリタンオペラを1夜楽しみ、食もそれなりに楽しんだ。やっぱり、ニューヨークは美味しかった。

 帰国間際になって、ブルックリン(マンハッタンからイーストリバーを渡る)の片田舎にあるチョコレート屋さんを訪ねた。その名は、MAST BROTHERS。ちっちゃな店で、お客は誰もいなかったが、奥には比較的大きな手作り工場が広がっていた。ネットでは有名らしいが、やっぱりお届け先はUSAだけと書いてある。
 試食して、なるほどと思う。味も姿も、日本人向きだ。無駄がない感じで、甘くない。これがカカオかと思わせる。写真の一番右がカカオとサトウキビだけ。その左が珈琲入り。その左が塩入り。そして一番左がアーモンド、塩、オリーブオイル入り。いずれも、カカオ成分は72%から74%。1枚約80グラムで7ドル。ちなみに、東京・銀座プランタンが1枚1260円で売っているのだそうだ(ただし、バレンタイン・シーズンのみ)。こんなに味も姿も美しいチョコレート。どなたか長野でも製造できないものか。そう思ったのだった。

荒井 久
1945年、長野県生まれ。1968年、東京電機大学電子工学科を卒業して日本経済新聞社に入社。日経BP社で日経ニューメディア編集長、日経コミュニケーション編集長などを歴任。「コンピュータ・テレフォニー」「ビットバレーの鼓動」「モバイル・インターネットの鼓動」「Web2.0の鼓動」など著書多数。02年、株式会社ソリック(www.soriq.jp)を設立、代表取締役として現在に至る。09年1月、ソリックブックスとして藤原忠彦著「平均年収2500万円の農村」を刊行。08年06月から軽井沢の貸し別荘「軽井沢ヴィラArai」( http://www.karuizawa-villa.com )を、さらに09年6月からは、長野県下の名産物をネットで販売する「採れたて長野」( http://www.rakuten.co.jp/toretatenagano/ )を経営している。

 
 
 


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