【趣の庭】軽井沢便り
2010.8.2     
Karuizawa Journal

森と湖のフィンランドに
佐久、軽井沢、信州を探し求める旅


荒井 久

ヨーエンスーの大きな川べりで鴨が遊ぶ


あまりにも美しいので、まずはこの写真。
ヘルシンキには深夜に着いたものの、翌朝には特急電車でヨーエンスーに向かった。
ヘルシンキからロシア側に近い東側を北方面へ約5時間。
実質的には、ここから長野県佐久地方、軽井沢町を探し求める旅が始まった。
今回は、ほとんど写真集に近いフィンランド報告をお届けしよう。

ヨーエンスーの街はあまりにも美しかった。
160年ほど前に、ロシア皇帝が交通の要所として切り拓いたという。
ソコス・キンメルホテルの近くには、豊かな水の大きな川がゆったりと流れる。

鴨の親子だろうか、6羽。
優雅に遊んでいた。
まるで、湖のようだが、これがなんと大きな流れの川。
端の方では大きなうねりとなって流れていた。
川べりには小魚が。そして釣り人が。
たぶん、大きなトラウトなどがいるに違いない。

軽井沢の雲場池に似たピエリスヨーキ川


僕は湖みたいなピエリスヨーキ川に、軽井沢の雲場池を思いだした。
紅葉時にはどんな姿を見せてくれるのだろうか。

美しい紅葉の中で鴨達の楽園。昨年秋の軽井沢の雲場池


こちらが、鴨たちが遊ぶ、軽井沢の雲場池。
紅葉が真っ赤、秋深い感じの頃の写真だ。

アザミの1種だろうか、巨大に育っていた


人の高さ以上に育っていたアザミには驚いた。
なにやら気品も漂う。

ピエリネン湖を臨むコリ国立公園


翌日、ヨーエンスーからバスで約1時間半。
大きな湖「ピエリネン湖」のほとり、国立公園のコリに向かう。
その雄大さに驚いた。

ここでの宿は1896年創業のソコス・ホテル・コリ。
周辺にはここしか宿がないようだ。
その宿から、わずか15分くらいでここまで登れる。
家族連れも多い。

5億年前の氷河に削られた石



軽井沢は活火山の浅間山の噴火でできた土壌。
石は焼け石で火山灰土だ。
ところが、ここは5億年前の氷河期の氷河がなんども大きな石を削った。
だから、ご覧の通り。
どこの大きな石も滑らかに削られている。

ピエリネン湖の中の石。そのわずかの隙間に松が育つ


ピエリネン湖にも至る所に松林の小さな島が。
良く見ると、ほとんどが石の島だ。
その石のわずかな隙間から松が生えて育っている。
厳しい環境下で地球にへばり付く。

ホテル前のリフトはスキー用だが、夏も稼働


ホテル・コリの前から湖上までは標高差100mぐらいだろうか。
木々をかきわけてリフトが稼働していた。
冬場のスキー場用のリフトだ。
湖上まで約5分。料金は一人5ユーロ。
森の空気を存分に吸える。

コリ国立公園の中の花畑で咲き誇る森の花たち


コリ国立公園にはたくさんの散歩コース、ハイキングコースが案内されている。
とにかく自然を楽しむだけ。
リフト付近や森の中にも食べ物屋さんは一切ない。
ホテル以外にレストランもない。
途中に花畑が突然に現れて、まるで歓迎してくれているみたい。

アザミの1種のようだが、軽井沢とは異品種


お花畑で咲き誇るアザミの1種。
不思議な形。
ミツバチも嬉しそうに飛び交っていた。

至る所にブルーベリーが実を付けている


そして、至る所に群生しているのがブルーベリー。
赤松、唐松などの下で、それほど日当たりの良くない場所が好みみたい。
ブルーベリーの木そのものは背が低く、せめて高さは20センチぐらい。
小動物たちの絶好の餌になっているのだろう。
そういえば、可愛いリスも見かけた。

ブルーベリーはどこでも自由に採取して食べていい


キノコも同様なのだそうだが。
あちこちで見かけるブルーベリーは自由に採取して食べていいのだそうだ。
国立公園だからどうのこうのとは言わない。
それだけ十分にあるということだろう。

こちらは軽井沢と同じクランベリー。甘酸っぱかった


こちらはあまり見かけなかったが、クランベリーだと思う。
デザートでいただいたものに違いない。
これは軽井沢でも見かける。

こちらも軽井沢と同じスグリ、まだこれからだった


そしてこちらは軽井沢でもお馴染みのスグリ。
軽井沢ヴィラAraiにも少しだが育てている。

こちらは軽井沢の樅の木(もみの木)林のよう


コリ国立公園の中の森はこんな感じ。
大きな木は樅の木(もみの木)だろうか。
その木の下のほうの枝は下を向いている。
たぶん、長い冬の雪のためだろう。
その下はブルーベリーが広がっている。

これも軽井沢の「ナナカマド」とまったく同じ


もう一つ、軽井沢とそっくりなのが「ナナカマド」の木。
7回も火にくべられても燃えないということからそう呼ばれている。
秋から冬にかけては真っ赤な実を付ける。
ここでは早くもその準備が進んでいた。

ホテル・コリ前のスキー場。夏は羊が放牧されている


高台にあるホテル・コリの前から湖面にかけて森が切り開かれている部分がある。
それがスキー場になっている。
夏はここで羊が放牧されていた。
草を持って近寄るフィンランド人家族らしき家族が微笑ましかった。

湖上では自家用らしきクルーザーが


さて翌日、ホテル・コリをあとにして大型客船でコリから対岸のリエクサへ。
約1時間半。
快晴で気温は20度C、清々しい夏の風を浴びての船旅だった。
軽井沢で言えば、まるで五月晴れのよう。

リエクサにはファームステイ先の主人が車で出迎えてくれた。
そこから約1時間半。日本なら、いわば民宿か。
近くの湖畔には自家用らしきクルーザーが。
夫らしき人物がせっせと船を磨く。
船内には奥様と見られる方が、ゆったりと構えている。

日本一標高の高いところを走る佐久の小海線に酷似した線路


ファームステイ先はヘッランニエミ。
小さな小さな村の中にある。
もちろん、近くには湖水が。
自転車で近くを散歩してみたが、他にホテルもなし、レストランもなし、ショップもなし。
駅の近くに郵便局「POSTI」があった。
中は郵便実務は半坪くらいで、片隅で古着屋や簡単なお土産、そしてカフェも。
さらにギャリアリーも。
庭では数人が珈琲を飲みながらタバコを吸っていた。
そうそう、なぜか喫煙率は高い。

帰りに乗る駅に行ってみたら、駅とは名ばかりの小さなプラットフォームがあるのみ。
1日、2往復しか走っていない。
この線路、どこかで見かけたような風情。
日本一標高が高いところを走る佐久の小海線に酷似している。
たぶん、ディーゼルカーであろう。

1日2往復しか走らない車両に巡り会った


突然、踏切の鐘が鳴り、慌ててカメラを取り出した。
1日2往復しかないのだから、貴重なタイミング。
1両編成だった。
なんだか猛スピードで走り去った。

佐久の八千穂高原に似た白樺林


すぐ隣には、美しい白樺林が広がっていた。
この光景もまた、小海線界隈に似ている。
小海線八千穂駅から八千穂高原を登っていくと、こんな白樺林がある。
今はここで白樺樹液を採取し、黒澤酒造さんが販売している。

延々と続く麦畑と牧草地帯


少し自転車を飛ばしてみると、森と森の間に麦畑や牧草地帯が続く。
白いまあるいものは、冬に備える牛の飼料だろうか。

湖畔のバーベキューハウス


さて、宿泊先のヘッランニエミ。
いくつかのコテージがあった。
そして、ここが湖畔のバーベキューハウス。
30人くらいでも楽しめそうな広さだった。
傍では釣りも楽しめた。
それに、夕日がなんとも美しく映えていた。

湖で釣り上げた魚で薪バーベキューを楽しむ


薪を使ったバーベキューセット。
自然を満喫できるスタイルがここにあった。

バーベキューハウスの隣にはサウナハウス


その隣には、ご存知、湖畔のサウナハウス。
ここには2サウナの間には湖を眺める休憩室もあった。
ここからサウナでほてった体を、湖で冷やす。
裸のまま、湖にドボンとするわけだ。
飛び込み台の隣にはボートも用意されている。
裸のままボートを漕ぎ出すのもいいかも。

サウナハウスから甘いカップルが湖にドボン


バーベキューハウスの方から眺めていたら。
出てきました。
ほてった体のカップル。
飛び込み台から湖に体を投げた。
楽しそうなカップルだった。

ヘルシンキのマーケットでも生野菜は少ない


さてさて、ファームステイを2泊楽しみ。
ヨーエンスー経由でヘルシンキに戻った。
歩いて街をぶらぶら。

今度は海辺。
多くのカモメたちが飛び交っていた。
海辺のマーケットでは様々な食材も。
レタスなど、新鮮野菜はそれほど感激するものではない。

「川上レタス」よりは小さめなレタスの上に高価


とりわけレタスは小さく、味も今ひとつ。
やっぱり「川上レタス」には勝てない。

ヘルシンキのカフェで、あまりにも可愛いフィンランドっ子


広場に面するカフェでは、街を楽しむ多くの人々が。
隣に座った、フィンランド人らしきご一家4人。
あまりに可愛いお嬢ちゃんに、思わずカメラが向いた。

荒井 久
1945年、長野県生まれ。1968年、東京電機大学電子工学科を卒業して日本経済新聞社に入社。日経BP社で日経ニューメディア編集長、日経コミュニケーション編集長などを歴任。「コンピュータ・テレフォニー」「ビットバレーの鼓動」「モバイル・インターネットの鼓動」「Web2.0の鼓動」など著書多数。02年、株式会社ソリック(www.soriq.jp)を設立、代表取締役として現在に至る。09年1月、ソリックブックスとして藤原忠彦著「平均年収2500万円の農村」を刊行。08年06月から軽井沢の貸し別荘「軽井沢ヴィラArai」( http://www.karuizawa-villa.com )を、さらに09年6月からは、長野県下の名産物をネットで販売する「採れたて長野」( http://www.toretatenagano.com )を経営している。

 
 
 


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