【趣の庭】軽井沢便り
2009.11.23     
軽井沢便り Vol.17
Karuizawa Journal


「佐久の秋」を満喫
「葡萄」「トマト」「キノコ」そして「蜂の子」


荒井 久


ご覧の通り。
すっかり秋。
佐久穂町(旧八千穂村)に借りている別荘の庭である。
もう間もなく、厳寒の冬がやってくる。
今年はここからの引越しを決めた。
実家のある佐久市内に実家の所有する家が空いているからだ。

だから、このお庭ともお別れ。
そう思うと、ちょっと寂しい。
紅葉に近寄ってみると。
こんなにも美しい。

所有者の81歳になる従兄弟は、まだ元気に野菜作りに励む。
野菜のほか、葡萄、キノコにも精力的だ。
今回は、葡萄、トマト、キノコ、そして蜂の子の報告をしたい。

まずは葡萄。
従兄弟が栽培している葡萄の多くはナイヤガラ。
現地では甘――い、甘――い香りが漂う。
クマンバチがやってくるのもうなずける。
今年は半分くらい、紙袋を被せて蜂の被害を防いだ。

それにしても、いつもいつも大量に採れるナイヤガラ。
僕は毎年、ワインビネガーを作る。

まずは葡萄の粒をはずす。
ここで、決して洗ってはならない。
葡萄の粒に醗酵するための酵母菌が付いているからだ。

ここで、桶に移して丁寧につぶす。
僕はホウロウ鍋を使った。

そういえば、ワイン作りの産地では。
うら若き少女たちが素足で踏みつけると聞いた。

そして、こんな風に完成。
蓋には日付を入れておく。
何かの目安になることもあるからだ。

この3日後にはぶくぶくと醗酵が始まった。
ワインビネガーになる前には、もちろんワインなのだが。
こんな甘い葡萄はワインに適さない。
お酒は作ってはいけないことになっているから、まあ、そう書いておこう。

ワインビネガー(ワイン)を絞ったあとも、もう1つの楽しみがある。
搾りかすを糠付けの糠床に混ぜるのだ。

それによってできる糠付けを僕は、葡萄糠漬けと呼んでいる。
葡萄の香りがする糠漬け。
絶品なのだ。

81歳の従兄弟は、今年からトマトの出荷を止めた。
「もう歳だから」が理由だった。
だがまだまだ、立派なハウスを使って大玉ミニトマトも作る。

あまりにもたくさんあるので。
僕は、トマト炊き込みご飯を作る。

たっぷりの完熟トマトを入れえてご飯を焚く。
こんな感じだ。

混ぜ合わせると、ちょっともっちり感が出る。
なにせ、トマトはグルタミン酸を多く含んでいるため、「味」が出るのだ。

美味しい。
それに、胃に、体にとっても良さそうな気分になる。
事実、そうだろうと思う。

だが、炊き込みご飯と言えば。
やっぱりキノコ。
従兄弟が近場の自分の山でたくさん作っている。

少し前までは椎茸だけだったが。
数年前から、椎茸の傍に栗茸林を作った。
山肌に栗茸の菌を埋め込んだ楢の木を仕込んだ。
そして、昨年からは庭先に平茸を。

そして今年は。
見事に生えてきた。
これは見事な平茸。
昔は信州シメジと呼んでいたそうな。

これは山肌に競って育つ栗茸。
こんな収穫も楽しい。

まず、平茸は早速湯がいて大根下ろしでいただく。
美味しい。
なにより、どんなに食べても太る心配がないのが嬉しい。

さて、栗茸はご飯に炊き込んだ。
キノコの香りがたまらない。
マツタケかと勘違いするくらい(笑)。
栗茸の茎の部分が硬くてどうかなと思ったのだが。
炊き込んでみると成功。
硬さというより、歯応えが楽しめる。

さて。
最後の山の幸は、蜂の子。
これも従兄弟が掘り起こしたもの。

そう。
この蜂は地蜂(ジバチ)といって地下に大きな巣を作る。
蜂の出入り口は1センチ四方ぐらいだが。
その奥、地下壕の中には30×30×30センチくらいの数段重ねの巣が存在する。

地下壕にも驚くが。
巣をよくみると、その構造の緻密さに感心する。
見事な正六角形の小部屋が並ぶ。
いったい、蜂たちはそれぞれ、どんな役割でどのように建設しているのか。

そして僕達は。
この六角部屋で育つ蜂の子を引っ張り出して。
油で炒めた後に砂糖、醤油で炊く。

食べたことがない人は、さっと目を背けるのだが。
これが美味なのだ。
これが信州、これが長野なのだ。

まだ、蜂の子は売ってはいないが。
「採れたて長野」の品揃えもかなり増えた。
是非、お試しあれ。
http://www.toretatenagano.com/


荒井 久
1945年、長野県生まれ。1968年、東京電機大学電子工学科を卒業して日本経済新聞社に入社。日経BP社で日経ニューメディア編集長、日経コミュニケーション編集長などを歴任。「コンピュータ・テレフォニー」「ビットバレーの鼓動」「モバイル・インターネットの鼓動」「Web2.0の鼓動」など著書多数。02年、株式会社ソリック(www.soriq.jp)を設立、代表取締役として現在に至る。09年1月、ソリックブックスとして藤原忠彦著「平均年収2500万円の農村」を刊行。08年06月から軽井沢の貸し別荘「軽井沢ヴィラArai」( http://www.karuizawa-villa.com )を、さらに09年6月からは、長野県下の名産物をネットで販売する「採れたて長野」( http://www.toretatenagano.com )を経営している。

 
 
 


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