【趣の庭】軽井沢便り
2008.7.28 
  貸し別荘を考えたら
楽しくなった

ネット検索で新しいアイディアを生む


荒井 久   

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1階のウッドデッキ。
西側の部分は少し大きくしてバーベキューなどが楽しめる。
目の前は2万坪の原野。


 そうか。貸したら良いかもしれない。自分でも時々使えるし、借り手も喜んでくれるかも。そう思って、ネットで「軽井沢 貸し別荘」で検索してみた。すると、以外に多くの物件がヒットした。ところが、どれをみても「これなら我が家は勝てるぞ」というものばかり。しかも、そんなところでも4月末の段階でトップシーズンはほぼ満室だった。

 15年前に建てた軽井沢の家に見切りを付けようと思い、新たに親戚の別荘を借りて引っ越したのだったが、どうしても手放せなくなった。懐かしい思い出がぎっしり詰まっているからだ。ふいに思いついた貸し別荘のアイディアで、僕はとてつもなく楽しくなってきた。

■野鳥の鳴き声で目覚める朝
 1993年僕は、案内されたこの地に感激した。目の前には約4万坪の原野が広がり、まさに野鳥の宝庫だった。多くの木々が自然を育んでいた。時々、雉(キジ)のつがいもやってくる。現に今でも毎朝、うぐいすやら、様々な野鳥の鳴き声で目覚める。

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すぐ近くの原野。
少し人手が入っており、軽井沢ならではの植物が保護されている。
春先には可憐な花が咲く。



 軽井沢プリンスホテル南館(現「ザ・プリンス軽井沢」)から徒歩数分のところという立地条件も気に入った。長野新幹線がまもなく着工するという頃だった。軽井沢駅南口からの「プリンス通り」は長野県一の整備道路として工事が進んでいた。駅南口にアウトレットをはじめ多数の店舗を招いて、旧軽井沢のお客をいただくというのが「西武」の狙いだったようだ。

■自分で設計した囲炉裏がBRUTUSに掲載される

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リビングルーム東側の囲炉裏。
足を置く部分が深くなっていてテーブルに座った感じで使える。
定員は10名。

 工業高校で製図を習った僕は、軽井沢の自宅を自分で設計した。「構造上もこれで大丈夫」と地元の大工さんに誉められた。吹き抜けの玄関、広いリビングに広いキッチン。料理好きな僕は、約6畳のキッチンに約20畳のリビングを作った。野外料理を考えてベランダも1階、2階を合わせて約20畳にした。お風呂につかりながらも、しっかりと外の緑に触れられるように。トイレを含めて全てのスペースから外の緑が見える。

 囲炉裏も自分で設計、チョウナ削りの作家に発注した。火に強い、太い栗の木にチョウナ削りが施されて、リビングの端の6畳のスペースの真ん中に収まった。この囲炉裏がマガジンハウス社のBRUTUSに見開き2頁で掲載される。大きく写った写真が1994年2月15日号(pp.86-87)を飾ったのだった。

■囲炉裏を囲んで夢を語り
 あれから様々な人々がこの囲炉裏を囲んだ。囲炉裏の火で岩魚を焼き、鉄鍋で「ほうとううどん」を煮込み。地元の野沢菜漬けをいただき、地元の銘酒を酌み交わし。軽井沢では超有名になった、すぐ近くの蕎麦打ち「東間」の主人も時々やってきた。

 今や日本のVIPが評価する、蕎麦会席の店になったが、開業したばかりの頃、この囲炉裏で酒を酌み交わしながら、夢を語った。「客は1日に二人でいい。貧乏を極めてやる」「山菜取って、魚を釣ってくれば生きていける」。筋の通った東間さんの話が今でも忘れられない。結局彼は、蕎麦打ちを極めた。

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南西側の原野から見た「軽井沢ヴィラArai」。
手前の小川には岩魚が棲む。煙突は薪ストーブ用。

■「軽井沢ヴィラArai」の誕生。
 あれから15年。今度はお客様に喜んでいただけるために、さまざまなことを考えている。玄関ドアを暗証番号方式の鍵に変更し、オーナーや管理人に会わずに気軽に仕えるように工夫した。どなたでも「ただいま!」という感じで使ってもらうためだ。

 専門家にお願いしていくつかの修繕をしたり、引越し先から必要な家財を運び戻したり、さまざまな備品を整備したり。二人用のラブブランコや自転車も2台新調した。バーベキューセットも新たに購入した。初めて木の剪定もしたり、花壇も作ったりした。

 こうして「軽井沢ヴィラArai」が誕生した。噂を聞いて、ある業界有名人から予約の電話があった。なんと8月のトップシーズンに8泊連泊の予約だった。作成したホームページが、ようやく検索に掛かるようになり、予約が来るようになった。

 こうしたらどうだろう。ああしたらどうだろう。お客のことを考えて準備する日々が楽しくて仕方ない。


 
 

荒井 久
1945年、長野県生まれ。1968年、東京電機大学電子工学科を卒業して日本経済新聞社に入社。日経BP社で日経ニューメディア編集長、日経コミュニケーション編集長などを歴任。「コンピュータ・テレフォニー」「ビットバレーの鼓動」「モバイル・インターネットの鼓動」「Web2.0の鼓動」など著書多数。02年、株式会社ソリック(www.soriq.jp)を設立、代表取締役として現在に至る。09年1月、ソリックブックスとして藤原忠彦著「平均年収2500万円の農村」を刊行。08年06月から軽井沢の貸し別荘「軽井沢ヴィラArai」( http://www.karuizawa-villa.com )を、さらに09年6月からは、長野県下の名産物をネットで販売する「採れたて長野」( http://www.toretatenagano.com )を経営している。

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