【趣の庭】お庭拝見
2008.9.8 
  やぶを突いたらハチが襲撃

  心和む野鳥の子育て

  悲喜こもごもの剪定作業
林田 茂喜    
写真1
スズメバチの巣、巣穴から外を見ている

 庭木の剪定作業をしていると、危険な目に遭うこともある。そのひとつはハチの巣。頻繁に出合うのはアシナガバチ。茂った枝葉や、やぶの中は要注意だ。私は作業を始める前、竹ぼうきで枝を軽くたたいたり、揺らしてみる。ハチが飛び出して来なければ大丈夫。しかし、このマニュアルが通用しないこともある。

▼逆免疫
 過日、松の新芽摘みをした。この手順を踏んで「大丈夫」と判断、枝の中に手を入れた途端、左薬指にチカッときた。私は血相変えて車まで走り、薬を塗った。毒をすぐに中和しないといけない。ハチの毒は"逆免疫"、刺される度ごとに心臓へのショックが大きくなるから。
 災難は忘れたころに。その1カ月後、今度はスズメバチ。イヌマキの長い生垣を剪定中、大鋏を突っ込んだら、数匹が襲い掛かって来た。脚立から飛び降り、地面に伏せた。左背中にチカッ。手のひらほどの広さに赤くはれた。イケメンの顔でなくてよかった。

写真2
抱卵中のヤマバト、近づいても動じない

▼子を守る本能
 心和むのは野鳥。秋、剪定していると、こんな所に巣があったのかと驚く。気付かれないように子育てしていたのだろう。ヤマバトは巣の近くで、つがいで「ドデッ、ポッホー」と鳴くので分かりやすい。お得意さまの庭のヤマモモの木に営巣中だ。家の人がほうきで枝をたたいて追い払おうとしたが、親鳥は「巣から動こうとしなかった」という。私もカメラを1mまで近づけたが、目をクルッ、クルッと動かすだけだった。「焼野の雉(きぎす)夜の鶴」というが、子を思う親の執念が胸にズンとくる。巣立ちまで見守ることになり、剪定は延期した。

写真3
ヤマバトが営巣中の樹(手前の高木)



林田 茂喜(はやしだ・しげき)
 長野県出身。
 通信社の記者を経て、現在、造園業を楽しむ。
 
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