【趣の庭】お庭拝見
2007.12.26
林田 茂喜
 
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還暦記念日を思い出させるイチジク
 

 数年前、私の還暦記念にと、息子夫婦がイチジクの苗を我が家の庭に植えてくれた。木の記念碑まで添えて。立派に成長し、豊かに実を結んでいる。ところが、私はイチジクが苦手。子供のころ、信州の生家で大きなイチジクの木に登り、おやつ代わりによく食べた。一度にたくさん食べ過ぎたため、実を見ただけで唇がかゆくなるアレルギー体質になってしまった。それを後で知った息子夫婦は、肩をすぼめて小さくなった。その姿が何ともほほ笑ましくて、よく思い出す。

 
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ヤエクチナシ、いつか花も実も…種の贈り主に報告したい
 

 私にはもう一つの記念樹がある。3年前、未知の人から頂いた種から育てているヤエクチナシ。「(結実しにくいという)実生(みしょう)で育った八重咲きのクチナシが7年目に実を結んだ」という新聞記事を読んで、種をもらい受けた。今では鉢で60センチに成長した。これからも“自分育て”のつもりで息長く大事に管理していきたい。
 誕生、入学、卒業、成人、結婚、ホールインワン、長寿…だれにも何かの記念樹がありますよね。校庭の桜、ポプラ、通い慣れた道の街路樹など思い出の木も含めて―。近ごろは、自分の生涯の記念碑として、お墓の代わりに水源の森になど自分の思いのこもった場所に記念樹を植えたいという人も増えてきたという。一定の好きな場所に自分の記念樹を植えられる仕組みがあってもいいと思うが、どうでしょうか。

 
林田 茂喜 (はやしだ・しげき)
長野県出身。
通信社の記者を経て、現在、造園業を楽しむ。
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