【趣の庭】お庭拝見
2007.07.09
お隣の庭も多少は掃除することこれが他人の敷地に入り込む術です
林田 茂喜
 
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 他人の敷地に入らないと剪定ができないような木の植え方は、非常識だ!
 私が手入れを任されているお宅の生垣は、隣家との境界ぎりぎりに植えてある。生垣の外側を剪定するとき、どうしてもお隣の庭に入れてもらわねばならない。最初は立ち入ることを拒否された。
 やむを得ず、内側からできる限りの剪定をするが、切った小枝や葉がお隣の方へ落ちる。「お、これを口実にしよう」。切りくずを盛大に隣の方へ落とすことにした。
 「掃除だけはさせてください」。お隣さん、渋々、うなずいた。掃除のついでに、お隣の庭の落ち葉なども、さりげなく片付けた。これを何回か繰り返すうちに"信頼関係"のようなものができたらしい。ある日、「庭に入って剪定していいよ」とお許しが出た。世間話の合間に「生垣の葉は大量の水分を蒸散させるから、辺りの温度をかなり下げるはずです、酸素も供給してくれますし」、「生垣がなければ夏、西日の照り返しがひどいでしょう」などと生垣の効能をPRした。
 それでも、庭に入れてもらうたびに「これは私の義務ではなくて、あくまで好意からですよ」と、リタイヤー前、中学校の社会科の教師だったというお隣さんは固い。「はしごを壁に当てたりして傷つけないでくださいよ」と老婆心も健在だ。
 これから庭木を植えようとする皆さん、お隣との友好のためにも、植木屋のためにも、樹木の周りには管理のための空間を確保しておいてください。

 
林田 茂喜 (はやしだ・しげき)
長野県出身。
通信社の記者を経て、現在、造園業を楽しむ。
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