【趣の庭】お庭拝見
2007.01.29
Vol.1 縁起木 百両から万両まであるよ
林田 茂喜
 庭木にはゲンがいい縁起木がある。松竹梅はもちろん、ごろ合せからクロガネモチ、サカキ、マンリョウ、センリョウ、それにカラタチバナ、ヤブコウジなど。 
 カラタチバナ(唐橘)は、赤い実を橘と見なしたらしい。中国名は百両金という。同じく赤い実を着けるヤブコウジを十両となぞらえて、十両から万両までをめでたい縁起物として、特に正月にはもてはやされてきた。
  カラタチバナ、ヤブコウジは江戸時代に一大ブームとなり、品種改良がなされ、多くの美しい変わり葉種を生み出した。葉の形や色、実の着き方など鑑賞価値の特徴を「芸」という。こうした芸も見どころだ。樹高が20〜30cmと小さいので、鉢植えだけでなく、庭石や樹木の根締めとしてもっと愛用されていい。
写真縁起木として知られるセンリョウ。 花は6〜7月頃に咲き、11〜2月にかけて赤い実が実る。
 ナンテン(中国名は南天竹)も「難を転じる」意味から縁起木。先端の葉が七五三に分かれているものもあり、慶事に配る赤飯の重箱には、この葉を飾る風習がある。日陰でも育つので鬼門除けにも植えられる。葉に鋭いとげがあるヒイラギも実用上の縁起木。魔除けとして鬼門などに植える。  近ごろは縁起を担ぐこともなくなったが、旧家の庭などを観るときには植栽に込められた意図を読むことも一興かと思う。
 
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林田 茂喜 (はやしだ・しげき)
長野県出身。
通信社の記者を経て、現在、造園業を楽しむ。
 


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