【趣の庭】釣り三昧
2012.9.11

釣り三昧 Vol.82
Joy of Fishing


夏の信州へようこそ!


樋口 正博


高ボッチ高原頂上。右は諏訪湖。
バック正面は富士山。右は南アルプス。左は八ヶ岳。

■句会「練り梅会」メンバーがやってきた

 タコの介が信州の実家で暮らし始めて数ヶ月がたった。この夏、タコの介は多くの仲間を実家に招待した。
「涼しい信州においでよ。のんびりしようよ」
 すると、数組の仲間が「行く行く」と手を挙げてくれたのだ。
 まずやってきたのが、タコの介が参加している句会「練り梅会」のメンバー3人。「練り梅会」というのは、タコの介のほか3人で始めた句会で、すでに9年目を迎えた。
 現在のメンバーは10人。毎月新宿の台湾料理店で句会が開かれている。季題を決め、その季題の句が2句。自由句が2句。計4句をあらかじめ投句して会場で選句が行われる。そのあと丁々発止の選評が行われて優勝句が決まる。
 さらに各ポイントが集計されて、年間優勝者が決まるという仕組みになっている。
 メンバーは男が6人、女が4人。9年間のあいだに紆余曲折があって、新しく入った人、去っていった人がいろいろいた。それでも10人の規模はこれまでで最大である。
 句会のオリジナルメンバーがFMラジオのJ−WAVEのディレクター(タコの介もそのひとり)や女子アナウンサーだったので、いまでも多くのメンバーがフリーランス。ライターやアナウンサー、テレビディレクターやコラムニストなどだ。
 投句された句を披講するのは女子アナウンサー。美しく正確な日本語で披講されるのはとても贅沢な瞬間である。


高ボッチ高原山頂で寝ころぶ雅風と丸壮。気持ちよさそう

■高ボッチ高原で吟行

 さて、タコの介はいま広い田舎の屋敷にひとり住まいである。母屋と離れがあって、普段、タコの介は離れを書斎と寝室にしている。ゲストは母屋の二階に泊まってもらう。布団もタオルケットも用意した。ついでに蚊取り線香も。
 信州ではほとんど家にエアコンがない。日中は暑いのだが、窓を開けると部屋には涼しい風が通る。夜はさーっと涼しくなる。窓を開けて寝ているとひんやりするくらいだ。
 やってきた句会のメンバーはコラムニストの丸壮さん。そしてエスティティシャンの会社を経営している美人の美酔さん。そして女子アナウンサーの雅風さん。もちろん美形である。こんなに華やかなお客が実家に集結したのは初めてである。
 まずは、塩尻市内の観光スポットにみんなを案内した。最初は高ボッチ高原。タコの介の車に全員が乗り、せまい山道をくねくね、くねくね曲がって天空の高原に到着した。標高は1665メートルとそれほど高くはないけど、オススメは周囲を一望できるパノラマ。
 南西から西には御嶽山、乗鞍岳をはじめとする北アルプス。正面には穂高連峰が座り、美しい槍ヶ岳が天に向かって尖っている。すべて日本を代表する3000メートル級の峰峰だ。
 東側は眼下に諏訪湖が広がり、正面には富士山、右に南アルプス、左に八ヶ岳が展開している。
 高原は野草で覆われ、頂上付近は寝ころぶには絶好。雅風さんと丸壮さんが寝転がった。そのときの句。

 夏草や背にやわらかき高ボッチ(雅風)
 高ボッチ草に大の字夏の風(丸壮)

 高原はすでに秋の気配で、赤とんぼが群れになって風に漂っていた。


奈良井宿。ここは中山道・木曽路のの代表的な宿場。

■そして酔っぱらい句会が始まった

 その後向かったのは、木曽の奈良井宿。江戸時代、中山道の木曽路のなかでも最大の宿場町だった。その宿場町が2キロ以上に渡って保存修復されている。NHK朝ドラ「おひさま」のロケ地にもなっている。そのときの句。ちなみにタコの介の俳号は夢宙。

 谷せまり奈良井の宿に桔梗咲く(夢宙)
 半影を戻りみやげ屋奈良井宿(美酔)

 そして、実家に戻った。夜は各人が一品料理を作り、さらにジンギスカン大会で盛り上がり、お酒がどれくらい消費されたかわからず、座敷で句会を開催。
 なんと筆記係をタコの介が担当。「えーと、言うからね」と次々と句が出てきた。みんな酔っているので自分で字を書くのがめんどうなようだ。それをタコの介は酔った頭とたどりない文字で記録した。
 気がつくと、丸壮と美酔はひっくり返ってる。それでも全部で24句が集まりまった。でも、選評に入ることができずに全員夢の世界へダウン。後日、メールでやりとりをして選評をした。
 で、優勝句はタコの介の句に決まったのだった。

 谷せまり奈良井の宿に桔梗咲く(夢宙)

 信州の夏は熱い。句会のメンバーのほかには、新宿ゴールデン街「ビッグリバー」の常連がやってきた。さらにはタコの介が会長をしているヘラブナ釣りの会「うみへら会」のメンバーもやってきた。
 タコの介にとっては楽しく熱い信州の夏になったのだ。


ちゃんと句会をしてます。正面の丸壮は目もうつろ。


                                                                                   

樋口 正博 (ひぐち・まさひろ)
1952年、長野県生まれ。
釣り専門誌の編集長を経てEditor&Writer。へら師にしてフライフィッシャーマン。そしてパラ愛好家。庭、釣り、農、酒を通して社会を見つめている。通称「タコの介」。Twitterのアカウント@takonosuke7
 
 
 


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