【趣の庭】釣り三昧
2011.10.25

釣り三昧 Vol.76
Joy of Fishing


東京湾でアジ釣り吟行


樋口 正博


まっきー、タコの介のサポートで絶好調!

■タコの介たちの句会は8年目に突入!

 タコの介は8年前に仲間4人で句会を結成した。その名も「練り梅会」。みんなやっつけで句作をしているので、「もっと練って作ろうよ」との意味を込めた。
 当時、タコの介はFM放送の「J−WAVE」でディレクターとしてニュース原稿を書いていた。コンビの女子アナ、同じディレクターが集まって「練り梅会」は結成されたのだ。みんなフリーの集まりである。
 句会は毎月一回、新宿2丁目の「荘園」という中華料理店で開催されている。そのほかには桜の時期には桜の名所で、さらには都心の庭園を中心に何回か吟行をしている。
 タコの介が沖釣り雑誌「つり丸」の編集長をしていて、なにかと「釣った魚はとびきり旨い」ということを吹聴していたので、メンバーは釣りをしたがっていた。「じゃ、釣りの吟行をしよう」ということになって、今回実現したのだ。

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美幸ちゃんにはカサゴがきた

■金沢八景沖で午後船のアジ釣り

 メンバーはタコの介を含めて7人が集まった。「練り梅会」のメンバーは9人なので、出席率はいいほうだ。場所は神奈川県の金沢八景。「忠彦丸」というビギナーにはとびきり親切なサービスをしてくれる船宿にした。
 午前船だと電車で来られない人がいるので、タコの介は午後のアジ船を選択。道具もカッパも長靴もレンタルなので、みんな手ぶらでやってきた。
 左舷ミヨシから胴の間までを釣り座にして一列に並んだ。みんな初心者である。
 出船前に釣り方をレクチャーする。みんな真剣に聞いてくれる。コマセの釣りなので、手順を覚えるまではなかなか釣りにならない。
 それでも、ポイントについて何投か経験すると、みんなさまになってきた。
「じゃ、一番数多く釣った人には次回の句会の飲み代をタダにします。がんばってください」と、タコの介は宣言した。これがちょっとしたトラブルの元になるとは、そのときは知るよしもなかった。

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コラムニスト、石原壮一郎さんも句会のメンバーでメバルを釣った

■女子2人が絶好調!

 タコの介は乗船代を払ったが、自分の竿は出さなかった。みんなのサポートに回った。とくに女子中心に(笑)。
 当日、東京湾の金沢八景沖は潮が速かった。水深は20メートル程度だが、上の潮が流れ、底近くはまったく流れていない。いわゆる「二枚潮」というやつである。
 二枚潮では投入した仕掛けが潮に流されるので、正確なタナ取りができない。これはタコの介が手助けしないと、どうしようもないのだ(笑)。
 そこで、真紀(まっきー)や美幸ちゃん専門にサポート。エサ付けから投入後のタナ取りまで。すると、当然なのだが、彼女たちが猛烈と釣り始めた。残りの4人の男たちをはるか遠くに置き去りにして。
 さらに、まっきーの貸し竿のリールの調子が悪く巻きづらそうにしているので、タコの介の最新のタックルを貸してやった。
「あっ、ぜんぜん違う。使いやすい」
 と、まっきーはさらに釣果を伸ばしていく。アジのほかにカサゴもたくさん釣れた。
 こんな展開で、楽しい「アジ釣り吟行」は午後4時半に沖揚がりとなったのだ。結局、トップはまっきーとなった。

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タコの介疑惑に納得のいかない百丸さんも良型アジが一荷で釣れた

■ベテラン釣り師の竿借用疑惑が発覚

  後日、新宿の「荘園」で句会となった。このときの優秀句は3句。

鯵たちの浮世に糸を垂らすなり    紳吉
日輪のぽとりと落ちて海月(くらげ)かな   百丸
アジ反りてひかり射したり海のなか   夢宙

 ちなみに夢宙とはタコの介の俳号である。句会が一段落して、お酒を飲みながらの歓談となった。そのとき、あるひとりがこう言った。
「今回、まっきーがアジ釣りのトップで、飲み代はタダになったけど、ちょっと納得いかないな」
「なんで?」
 とタコの介は聞いた。
「だって、あのときまっきーには夢宙さんが付ききりで手伝ってたじゃん。自力優勝じゃないよね」
「釣り場では初心者を手助けするのは当たり前なんだよ」
 とタコの介は言い返した。でも、彼は納得いかないようだった。半分シャレだが。
 そして、彼が毎回発行する「練り梅通信」にはこんな記述があった。
《まず、アジ釣りのトップの確定。もめた後、アジの数で競うことになりました。雅風のトップに約一名異論を唱えていましたが、最終的には納得して、この日の飲食代はタダということに。
 精算を終えた後、今度は雅風の「ベテラン釣り師の竿借用疑惑」が発覚。これもまた失格理由ではないかと疑義が出され、いまなお内部調査中です。結論は次回以降に持ち越し》(練り梅通信/吟行も忘れてアジ釣り篇)
 雅風とはまっきーの俳号である。「ベテラン釣り師」とは当然のことながら、タコの介のこと。今回のトップ認定はまだ確定していない。

樋口 正博 (ひぐち・まさひろ)
1952年、長野県生まれ。
釣り専門誌の編集長を経てEditor&Writer。へら師にしてフライフィッシャーマン。そしてパラ愛好家。庭、釣り、農、酒を通して社会を見つめている。通称「タコの介」。Twitterのアカウント@takonosuke7
 
 
 


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