【趣の庭】釣り三昧
2011.10.11

釣り三昧 Vol.75
Joy of Fishing


やってきました東京湾、
夏のタチウオ釣り


樋口 正博


良型のタチウオを釣った嵐山さん

■「文章を書いて生きていく」

 8月下旬、嵐山光三郎と久しぶりのタチウオ釣りに出かけた。今回で3回目だ。場所は三浦半島の鴨居「五郎丸」である。強力な助っ人として、永田文生名人がかけつけてくれた。

 前日は、すでにタコの介たちの定宿となっている「ホテルYRP」に宿泊。非常勤になったタコの介の将来について嵐山と酒を飲みながら作戦を練った。タコの介は「文章を書いて生きていく」と酔眼で宣言したのだった。「まっ、がんばれ」と嵐山。

 真夏のタチウオ釣りは、30〜40mと浅場で展開される。だが、取材2日前に台風の影響か、海水ががらりと変わってしまった。タチウオのタナが70〜80mと深くなったのだと、永田名人がいう。

 出船は7時20分。タコの介号は6時50分くらいに船宿に到着していた。月曜日。お客さんが少ないかと思ったら、すでに船には8人くらいの釣り師が準備していた。

「タナが深くなったとたんに釣れはじめたんですよ。で、お客さんもきてくれた」と嬉しそうに語るのは福本清行船長。最近の釣り師は釣果情報に敏感である。確実に釣れると分かると平日でも来てくれる。しかも相手は旨いタチウオ。人気である。

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永田文生はタチウオやカワハギの名手

■雨まじりのなか
タチウオ釣りが始まった

 船は東京湾の観音崎沖に向かった。いまはこのポイントにタチウオ船が集結している。永田名人がやり方をレクチャーして第一投目。久しぶりなので嵐山は釣り方を忘れている。エサは船宿が用意したサバの切り身。

 仕掛けを投入すると、船中で早くもタチウオが釣れだした。今回、タコの介は「目標は5本」と嵐山に伝えていた。その嵐山もすぐにタチウオを釣った。ひょっとして、今日は釣れるかもとタコの介は隣りでカメラを構えながら思っていた。

 タコの介はときおり嵐山の竿を借りて釣りをした。ポツポツと釣れる。
「嵐山さん、今日の目標を5本から10本に訂正します。がんばってください」と声を掛けた。

 天気は曇りでときおり雨が落ちてくる。真夏のギラギラ太陽よりはずっと過ごしやすい。
大船団になったタチウオ船。ときには、ルアー船との船同士のオマツリもあった。とにかくすぐ目の前に船が近づく接近戦である。

■タチウオは
深場に移動して型がよくなった

  福本船長はほとんどポイントを変えずに流していく。タチウオは幽霊魚といわれるほど神出鬼没。どのポイントにいるかはやってみないと分からない。今回の水深は70m。タナは55mであったり、45m、60mと一定しない。

 永田名人は投入ごとに「いまは、55mがいいよ。あっ、今度は60mなった」と、タナを正確に教えてくれる。タチウオ釣りはこれが面白い。自分でタナを決める。食いタナが分かれば次の投入は底までではなく、55mなら60mまで落として、あとは誘いながらリールを巻いていけばいい。狙い撃ちだ。

 アタリは微妙である。竿先を上下に30cmほど誘っていると、クッと重くなる。さらに誘いを続けていると、グイーンと竿先が絞り込まれる。このときにアワセを入れてリールをまき始める。

 タチウオの型は指3本くらいが平均だ。そのなかに指4本クラスがまじる。
「先日までの浅いタナだと細いのばかりだったけど、深場に入ってからは型のいいのがまじるようになったね。いまタチウオは落ちの時期でどんどん深場に入っているんだよ。これからエサ釣りには楽しいシーズンになる」と永田名人。

 やっぱり、微妙な誘いをして、小さなコツというアタリを合わせて釣っていくタチウオ釣りの面白さは応えられない。

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本日の釣果であります

■タチウオの塩焼きは
ジュージュー、旨いぞ!

 11時半。あっというまに沖揚がりとなった。つまり、今回は半日船なのだ。夢中になって釣っていたので、時間はすぐに過ぎてしまった。数を数えたら。永田名人は14本。嵐山は13本。上出来である。今晩の塩焼き、刺身が旨いぞ。船中でトップは左舷トモで26本だった。

 永田名人は帰りの船でハサミを使って頭と内臓を取りだし。食べやすいサイズに切っていく。「3本だけもらうね」とキープしてあとは全部嵐山にプレゼント。チョンガーだった永田名人はとっても若い奥さんをもらった。魚料理すべては永田が担当するそうで、嬉しそうに処理したタチウオをクーラーに入れた。

 タコの介が持ち帰ったタチウオは、まずは塩焼きにした。そして10cmサイズにカットして冷凍に。タコの介がタチウオを釣ったという情報は行きつけの居酒屋「弥助」の常連にも伝わっていて、「おい、いつ持ってくるんだ」という声が相次ぐ。やっぱりタチウオはみんなが大好きな魚である。塩焼き、脂がジュージューで旨かった。

樋口 正博 (ひぐち・まさひろ)
1952年、長野県生まれ。
釣り専門誌の編集長を経てEditor&Writer。へら師にしてフライフィッシャーマン。そしてパラ愛好家。庭、釣り、農、酒を通して社会を見つめている。通称「タコの介」。Twitterのアカウント@takonosuke7
 
 
 


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