【趣の庭】釣り三昧
2010.12.28

釣り三昧 Vol.65
Joy of Fishing


カワハギの肝和えを
食べられない理由


樋口 正博
 

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希香の師匠、永井裕策と

■楽しいなカワハギ釣り

 「つり丸」での新連載の取材のためにカワハギ釣りに行ってきた。冬を迎え、カワハギの肝はパンパンに膨らんで、「肝和え」のおいしい季節になったのだ。
 清水希香(あすか)の連載で、タイトルは「清水希香のステップUPフィッシング」。希香は沖釣りは中級者。さらなる沖釣りの世界を広げようという真剣勝負の連載である。 

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真剣に竿先のアタリを見つける清水希香

   取材は12月2日。場所は三浦半島の油壺近くの小網代湾。船宿は「丸十丸」。ここの小菅裕二船長はカワハギが得意で、ほかの船宿がカワハギ船を出さない8月からずっとカワハギを狙っている。
 カワハギは冬の釣りだが、この秋から絶好調で、一人で50枚を超えるような釣果を出している。裕二船長も「10年に一度あるかどうかの釣れっぷりだ」と威勢がいい。
 タコの介は久しぶりのカワハギだったのだが、希香の釣りの撮影に専念した。当日は渋くて、トップで20枚いくかどうかという展開だった。集中して粘り強い釣りをした希香は13枚。希香の師匠で釣り名人の永井裕策は10枚だったので大健闘である。
 関東の冬特有の晴れ渡った空。遠くに雪をいただく富士山。カモメが船の周辺を飛び回る。気分のいい取材釣行だった。 

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30cmに迫る良型のカワハギが釣れた

■なに? 痛風だと?

 帰ってカワハギの肝和えで一杯だ。と思ったが、じつはタコの介はその数週間前から痛風予備軍になっていたのだ。朝起きたら右足親指の付け根が腫れ上がり、ジンジン、ツンツンと痛痺れる。
 まさか痛風とは思わずに医者にいくと、医院長がタコの介の足を見て、一瞬間をおいてこう言ったのだ。
「やっちゃったね。痛風かもね。レントゲンと尿酸値を測るから4日後に来てね」
 タコの介は痛風とは無縁だった。たしかに酒はよく飲むし、仕事柄旨い魚貝類をよく食べる。ビールも大好き。しかも、尿管結石でのたうち回った経験が2回もある。
  これすべて痛風の大きな原因になっている。いままでならなかったのが不思議なのだ。
「あー、タコの介は痛風持ちになってしまったか」

■「草食系男子になりなさい」

 落胆して4日後に病院に行くと、医院長が待っていた。
「えーとね、結論から言うとまだ痛風ではない。尿酸値が6.5mgだからね。7mg以上になると危ない。だが、数値が低いからと言って痛風ではないとはいえなくて、説明がややこしいくなる。
 数値が低くても痛風の症状がでる場合もあるし、りっぱな痛風だということもある。まっ、お酒はダメ。内臓や魚卵、魚貝類など高たんぱく質なものは控えることだね」
 う〜む、たしかに分かりにくい説明だ。

「じゃ、なにを食べればいいんでしょう」
「野菜ときのこをたくさん。あとは海草類。肥満もダメ」
「……!」
 タコの介は草食系男子になれということである。できるわけないじゃん。トロブリがもうじき編集部に届くはずだし。

 ということで、「カワハギの肝和え」で熱燗をという野望は潰えてしまったのだ。足、イタイ。

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「丸十丸」のおかみ、悦子さんとのツーショット

樋口 正博 (ひぐち・まさひろ)
1952年、長野県生まれ。
沖釣り専門誌「つり丸」編集長。最近は釣りよりも魚料理に興味が傾いてしまった。毎月一回、嵐山光三郎さんと連載「釣って開いて」の取材に出かけるのが、おもな釣り取材となっている。通称「タコの介」(嵐山光三郎命名)。
 
 
 


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