【趣の庭】釣り三昧
2007.02.13
Vol.1震えるほど美味しい釣魚料理  東京湾のアジを干物に
樋口 正博
 熱々の身をハシでほぐすと、ジュワーと湯気が立ち上る。昨年の師走、東京湾は走水沖で釣った絶品のアジを、干物にして酒の肴に焼いた。これが震えるほど美味い。スーパーで1枚100円で売っているアジの干物は論外だが、小田原産の1枚350円のアジの干物も、この味を知ってしまうともう食べられない。

 アジの干物は焼き加減にコツがいる。開いた側から焼く。皮目は最後に1、2分焼くだけ。大抵の人は焼きすぎてしまう。表面がパリパリになり、焦げ目がうっすらついたくらいでいい。で、食べるときに冒頭の状態になるのがベストなのだ。沖釣り師はかように釣魚料理にこだわる。
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東京湾・走水沖のマアジ
  ということで、沖釣りは釣りの楽しさ半分、釣魚を美味しく食べることが半分。そこで、沖釣り専門誌の 『 つり丸 』 では 「 楽しく釣って美味しく食べる 」 をキャッチコピーにしているのだ。
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  (左)東京湾・剣崎沖釣ったマダイ 
(右)相模湾のイワシメバル
  この仕事をしていると、いろんな人からある決まった質問を受ける。「 いままで釣った魚のなかで、どれが一番美味しかったですか?」。そりゃ、シマアジとか、モロコとか、アラとかヒラメとか、キンメダイ、アカムツなど、震えるほど美味しい魚はいっぱいある。
  でも、「 晩秋の新島沖で釣った3sクラスのシマアジ 」 なんて答えても、ひたすらシラけてしまうだけだ。だから、ぼくはいつも 「 東京湾の絶品アジの干物 」 と答えている。
  沖釣り師は、魚に関してはちょっと屈折していて、限りなくウルサイ人間たちなのだ。
 
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樋口 正博 (ひぐち・まさひろ)
1952年、長野県生まれ。
沖釣り専門誌「つり丸」編集長。最近は釣りよりも魚料理に興味が傾いてしまった。毎月一回、嵐山光三郎さんと連載「釣って開いて」の取材に出かけるのが、おもな釣り取材となっている。
 


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