【健の庭】お茶の話
2008.6.23
身体も心もあったまる
食事中に飲むと
ヘルシーな紅茶

 紅茶はアフタヌーンティーやハイティーとして、優雅なひと時を演出してくれるオシャレな飲み物、というイメージが先行しています。そのためか、ついその効能については忘れられがちです。しかし「東洋の神秘薬」としてイギリスに伝えられた紅茶は、タンニン(カチキン)、カフェイン、ビタミン、アミノ酸などを含み、さまざまな効能があるのです。

紅茶研究家の磯淵猛氏に「身体と心にやさしい紅茶」の効能をおうかがいしました。


紅茶専門店ディンプラ


■消化を助けてダイエット

「一年間で7キロやせたんですよ」と磯淵氏は自らの体験を振り返ります。

 朝晩二回紅茶にジンジャーを小さじ二杯と蜂蜜を入れて飲み、できれば一日20分間のウオーキングを取ら入れるとより効果があるそうです(*)。茶の中で紅茶に一番多くタンニンが含まれており、そのタンニンには皮下脂肪をエネルギーに変えて体力を温存する働きがあります。そのため肥満防止に役立ち、スポーツドリンクとしても最適だそうです。


「ミャンマーで蒸した茶の葉を操んだら、翌日には手にできていたあせもが治ってしまいました」

 と磯淵氏。タンニンには抗菌作用もあり、切り傷に紅茶を塗って止血もできます。また、紅茶でうがいをするとタンニンがウィルスを不活性状態にして風邪の予防になるそうです。しかも紅茶は幼児から老人まで飲める安全な飲み物なので、イギリスでは風邪をひいた赤ちゃんに紅茶を飲ませる習慣があるほどです。


マサラ
 中央にあるのがグローブ、上から時計回りにシナモン、ジンジャー、カルダモン、ナツメグ。 マサラとは、ミックス・スパイスのことで、マサラティーは、マサラとミルクと紅茶を入れて煮込んだもの。スリランカやインド、アラブ諸国で飲まれており、身体の温度を一定に保つカルダモンわはじめ、内臓の働きを活発にするものや解毒作用のあるものが含まれ、灼熱の国では、生きるための知恵ともいえる飲みもの。

 つい悪者にされがちなカフェインも、大切な効能の一つです。磯淵氏がスリランカで熱射病にかかった際、医者から「紅茶を何杯も飲ませて寝かせておけ」という指示があったそうです。暑いときに水ばかり飲んでも汗が出るだけで尿は出ません。そうすると内臓の動きが沈滞するので食欲が落ち、夏バテしてしまうのです。しかし、紅茶を飲めばカフェインの持つ利尿作用により内臓がウェイクアップし、タンニンが胃の消化液を出させて食欲が出てくるのです。また、カフチインは中枢神経を刺激し、心拍を強くして疲労回復に役立ちます。

「紅茶を食事中に飲むと消化がよくなら、脂肪がつきにくくなるのでヘルシーです」

 と磯淵氏。脂肪を分解するタンニンを含む紅茶は、ワインと同じ効果を食卓にもたらします。肉を食べたときに水を欽んでも脂肪分が口の中に固きり不快なだけです。しかし紅茶で脂肪を流すと口の中がさっぱりしてもう一口と、食も進みます。アルコールが飲めない人や子供も、料理に合わせて紅茶の種類を変えることで、ワインやビールを飲む人と同じ味でおいしさを楽しむことができます。

「ティーカップではなく、ゴブレットに紅茶を入れて乾杯してください」

 と磯淵氏は勧めます。つまり、お父さんもお母さんも子供も老人も、家族全点同じ目線で食事をすることができるのです。肉やチーズなど赤ワインに合うものには、タンニンの強いアッサム、ウバ、ダージリンやキーマンなど、魚など自ワインに合うものは比較的タンニンが弱いキヤンディ、ケニアのCTC茶、ディンブラなどがマッチするようです。

■香りとぬくもりで心も元気

 紅茶は単に身体に効くだけではなく、心も元気にしてくれます。映画『千尋の神隠し』の中で銭婆が千尋とカオナシに紅茶とケーキを振舞うシーンがあり(そのシーンを表現したポスターを見て)、磯淵氏は次のように分析します。

「皆よく来たね」

 と銭婆が骨の好みを聞きながら(会話をしながら)、紅茶を入れてあげます。紅茶はホットウォータージャグ(お湯差し)を使えば濃くも薄くも入れられるので、一つのポットで子供も老人もモンスターでさえも満足するものを入れる力があるのです。一つのポットを囲んで共通感が生まれ、皆同等にコミュニケーションをはかることができます。茶菓と水だけでできたシンプルなものだけに、

「お茶しかないけどどうぞ。あったまるよ」

 と差し出すと心が伝わり、モンスターでさえきっと仲良くなれるのです。

 最後に磯淵氏は、

「お父さんが日曜日に家族のために心を込めて紅茶を入れると、雰囲気が変わっていいかもしれませんよ」

 と身体と心にやさしい紅茶のもう一つの効能をアドバイスしてくださいました。


*『しょうが紅茶ダイエット』石原結実著/青春出版社

(取材・文:東野理実子 撮影:清水啓二)
 

磯淵 猛
(いそぶち・たけし)
1951年愛媛県生まれ。青山学院大学卒業。
紅茶専門店ディンプラの開業に伴い、スリランカ紅茶、インド紅茶の輸入を手がける。同時に紅茶の特徴を生かした数百種類のオリジナルメニューを開発。プロセミナーの開催、経営コンサルティング、プロデュースを行うほか、紅茶研究家、紅茶エッセイストとして活躍。また、一般向けに講演、紅茶教室、セミナーを開催中。日本創芸教育にて紅茶通信教育の主任教授。NHKをはじめとするテレビ、ラジオの出演多数。

「紅茶専門店ディンプラ」
神奈川県藤沢市鵠沼石上2-5-1 丸生ビル2F
TEL:O466-26-4340
開店時問:午前10時〜午後7時 火曜定休

「たんけん」より
 
 
 


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