【健の庭】 不老長寿
Vol.3  2008.5.26
胃にやさしい食事とは

湯豆腐と胃粘膜を保護するモロヘイヤスープ& キャベツサラダ

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 胃は心と身体の健康を測るセンサーの役目をしています。何か悩みごとがあると、ストレスで浩癌になる場合もあるし、年末年始のパーティで暴飲暴食し、急性胃炎を引き起こすこともあります。つまり、胃をよく知ることは、自らの心身の健康の状警知ることにもつながります。そこで管理栄養士の小泉靖子さんに、胃の働きやそのバランスを崩す要因について教えていただきました。その上で胃にやさしい食事とはどういう食事なのか、また、胃酸が多いタイプと少ないタイプとではどこに気をつければよいのか、アドバイスをいただきました。


■酸があるのに胃はなぜダメージを受けないのですか
 バランスを崩す主な原因は何でしょうか

 胃酸は卵1.5から2.0と大変強い酸で、外部から侵入してきた細菌などを殺菌したり、また、たんぱく質を分解する酵素であるペプシンを働かせたりする作用があらます。酸によって胃壁がダメージを受けずにすむのは、同時に粘液などの防御因子を分泌しながら胃壁を守っているからなのです。健康な胃では、酸やペプシンといった攻撃性因子と、粘液などの防御因子とのバランスがとれています。しかし、なんらかの原因でバランスが崩れると、攻撃性国子が優位に働くようになり、その結果粘膜が弱まり、胃炎や胃潰瘍などを引き起こしてしまいます。バランスを保つためにはその原因を取り除き、胃にやさしい食事をとるように心がけましょう。

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モロヘイヤスープ& キャベツサラダ

■バランスを崩す主な原因は何でしょうか

(1) 刺激物質
 粘膜を刺激して酸の分泌を促し、胃の防御力を弱めます。アルコールや薬物、化学物質、食品添加物、香草野炭酸萄カフェイン飲料などです。

(2)ピロリ歯
 ピロリ菌は、クレアーゼという酵素を分泌して酸を中和させながら粘膜に棲みつく、厄介な菌です。毒素を出し、炎症を起こし、粘膜を侵していきます。慢性胃炎や胃液藩の大半は、このピロリ歯が関わっていると考えられています。

(3)ストレス
 急なストレスは自律神経を刺激し、交感神経の働きを活発にします。その結果、胃に繋がる血管は収縮し、ぜん動運動が抑制され、胃液の分泌が減少します(一時的に消化機能が低下)。ストレスが慢性化すると、交感神軽だけでなく、副交感神経の働きも活発になっていきます。酸の分泌が増加する一方、胃の血管は相変わらず収縮傾向にあるため、防御力が弱まり、粘膜や胃壁が荒れていくのです。

(4)その他
 肉や卵、乳製品に偏った食事や、サラダ油(大豆、ひまわり、コーンなど)に頼り過ぎる調理法、解熱・鎮痛・抗炎症作用を持つ非ステロイド性抗炎症剤(アスピリンやインドメタシンなど)などは、胃の防御を司る生理活性物質(プロスタグランジン)の調整バランスを崩し、胃潰碁の発生を促します。

■ピロリ菌の抑制効果もありますか

 刺激や負担を軽減しながら粘膜を保護することが、胃へのいたわりであると考えます。ただし、胃酸が多い場合や、働きが弱って胃液が少なくなっている璧口では、食べ方や食べ物の選択に注意する必要があります。

(1)胃への刺激や負担を軽減しましよう
 食事はよく噛んで食べ、腹八分目に抑えます。固すぎたら、繊維の多い食品、加熱不十分な食品、熟すぎたち冷たすぎる食品、味つけの濃い食事、香辛料やアルコールをなるべく避けましょう。

(2) 胃粘農を保護しましょう
 ムチンを含むオクラ、モロヘイヤ、つるむらさき、里芋、山芋、なめこなどや、ビタミンUを含むキャベツは胃の粘膜を守ちます。その他、アコダインを含む海藻や、スルフォラフアンを含むブロッコリー(スプラウト)はピロリ菌の抑制効果が期待されています。

■胃酸が多いタイプと少ないタイプとでは
 食事のとり方が違うのですか

・胃酸が多いタイプ
 空腹は酸の分泌を促すので、お腹が空き始めたら、酸を中和する野菜などのアルカリ食品、水などを摂取するようにしましょう。また、だらだらと食べ続けるのはやめましょう。

・胃酸が少ないタイプ
 ながら食いはやめ、ゆったりとした雰囲気でよく噛んで食べることをこころがけましょう。消化の悪い抽もの(油を多く使用する調理法を含む)や生ものの摂取を控え、消化のよい食べもの(蛋白源は特に低脂肪のもの、例えば豆腐や白身魚など)を摂取するようにしましょう。

(取材・文/東野理実子)
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胃に優しい食事
湯豆腐と胃粘膜を保護するモロヘイヤスープ&キャベツサラダ
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小泉 靖子(こいずみ・やすこ)
管理栄養士。神戸女学院大学家政学部食物学科卒業。1992年、米国Ilinois State Uni.家政学部修士課程修了。健康食品会社に勤務後、「心と身体の健康を支える食生活」を直接消費者に提案したいという思いから、5年前から自宅にて料理教室を主宰。
問い合わせ先:ykoizumi@netlaputa.ne.jp

ムチン
 野菜などに含まれる水溶性の食物繊維のこと。胃腸をきれいにするほか、そのネバネバで弱った閂の粘膜を守ってくれる。

ビタミンU
 キャベツから発見されたので、「キャベジン」ともいう。胃の粘膜を守る。フコダインモズクなどに含まれているヌルヌル成分で、ガンの抑制効果や、免疫力強化作用がある、といわれている。

スルフォラフアン
 プロッコリーに含まれるイオウ化合物があ卑種の酵素との化学反応によって生成される成分で、辛みの元になる。宵がんの抑制に効果がある。プロッコリースプラクトにはその成分がブロッコリーの20〜50倍含まれている。
 
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