【緑の庭】牧野植物園便り

2010.1.11  

Makino Botanical Garden News


雪と見紛うように群れて咲く

牧野博士がこよなく愛する

バイカオウレン、花の大きさは1.5センチ

夏井 操
 バイカオウレンは、その葉のデザインが牧野植物園のロゴマークとなっています。白い梅のような花です。草丈が6cm程度で、花の大きさは直径1.5cm程度、小さな野草です。高知県ではまだ寒い1月、2月ごろにスギ林などの林床に、雪と見紛うように群れてさきます。
 キンポウゲ科の植物で、白い花びらのようなものはがく片で、5つの黄色いスプーンのようなものが花弁です。この花弁や花柱(めしべの軸)の形が本州産のバイカオウレンと違うというので、四国産のものはシコクバイカオウレンと近年区別されました。
 バイカオウレンは、その葉のデザインが牧野植物園のロゴマークとなっています。


■ 忘れがたき花

 やがて来る春をいち早く告げる愛らしさに加え、牧野博士にとっては故郷土佐を思わせる花だったようです。博士の随筆「土佐の博物」第6号(昭和13年)には次のように書かれています。
 「梅花オウレンが山道の片側の斜面に沢山生えていることを子ども時代に早くから知っていたので、今日この草を見るとすこぶる懐かしい思いがする。ことにその小さい梅花様の白花が他の草にさきがけ、なお時候の寒いのにかかわらず、いち早くその葉の間に咲き綻びしその風情は、決して忘るることのできない思い出の印である(中略)今もなお忘れがたいので佐川へ帰省すると何時でもその場所へ行ってこれを眺める。一度は東京へ送ってもらったことがあり、(中略)そして東京で花を咲かせて喜んでゐるのである。」


■ 植物園のロゴマークに

 牧野博士がバイカオウレンに頬をよせ、笑いかけている姿が目に浮かびます。バイカオウレンのロゴマークを見るたび、博士の植物への愛情をおもい、思わずうれしくなるのです。


写真:博士の出身地、高知県高岡郡佐川町で撮影した2月上旬のバイカオウレンのようす

高知県立牧野植物園

 牧野植物園は、高知県が生んだ植物学者・牧野富太郎博士の業績を顕彰する施設として、昭和33年(1958)に、高知市五台山に開園した施設です。平成11年11月には「牧野富太郎記念館」が開館しています。
 園内には博士を生む土壌となった高知県の植物を中心に、博士ゆかりの植物など約3,000種が四季を彩られています。
 また、植物園機能とあわせて、貴重な資料を紹介する展示、研究、生涯学習の場を提供する施設などを収めた博物館が同居する総合施設は、国内では他に例がないと思われます。さらに、景観に配慮した環境保全型建築の方向性を示す優れた建築物として全国的な評価を受け、第13回村野藤吾賞をはじめ数々の賞を受けています。

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