【緑の庭】牧野植物園便り

2009.11.9  

Makino Botanical Garden News

都会で見かける植物の8割が帰化植物に
植物画は花の美しさを巧みに表現
来年の1月11日まで植物画展を開催

夏井 操

 日本植物画倶楽部の方々が3年の歳月をかけて描いた帰化植物画が、このたび図譜として出版されます。現在牧野植物園では、その原画200点を一堂に集めた展示会を来年1月11日まで開催(10月3日から)しています。


ハルシャギク

 帰化植物とは、人間の活動によって外国から日本にもたらされ、定着した植物のことです。帰化の経緯はさまざまですが、多くは外国との貿易が盛んになった明治から戦後に入ってきたようです。ハルシャギクやヒナゲシのように観賞用に導入されて野生化したもの、カモガヤのように牧草が逸出したもの、またヒメコバンソウのように入り込んだ経緯がわからないものなどがあります。


ヒナゲシ

■日本から外国に行った植物も
 帰化植物は現在全国で約800種確認され、都会で見る植物の8割が帰化植物であるといわれています。一方で日本から外国にもたらされ定着した植物もあります。例えばクズやスイカズラなどは外国で増えすぎて問題視されています。
 繁殖力の強い帰化植物が繁茂すると、本来その土地で生活していた植物が住処を奪われます。人間が誕生する以前から長い年月をかけてそれぞれの地域で育まれた特有の植物が、失われる可能性があるのです。特に人の生活の及ぶ身近な在来植物の多くが帰化植物に置き換わっています。


フサスグリ

■形態の特徴も
 細かく描かれた植物画は植物そのものの持つ美しさを巧みに表現しています。また単に美しいだけでなく、根や種子の様子、また拡大図などがちりばめられ、各種の形態的な特徴も表しています。
 発行される図譜や本展をぜひご覧いただき、帰化植物の多様さ、そしてそれらが増加する現状を通して、身近な自然を考える手がかりとしていただければと思います。


オランダガラシ


セイバンモロコシ

▼インフォメーション

■11月下旬「日本の帰化植物図譜」出版!
出版記念「帰化植物画展」好評開催中(2010年1月11日まで)

■高知県立牧野植物園 リニューアル10周年イベント開催中!
詳細は
コチラ


高知県立牧野植物園

 牧野植物園は、高知県が生んだ植物学者・牧野富太郎博士の業績を顕彰する施設として、昭和33年(1958)に、高知市五台山に開園した施設です。平成11年11月には「牧野富太郎記念館」が開館しています。
 園内には博士を生む土壌となった高知県の植物を中心に、博士ゆかりの植物など約3,000種が四季を彩られています。
 また、植物園機能とあわせて、貴重な資料を紹介する展示、研究、生涯学習の場を提供する施設などを収めた博物館が同居する総合施設は、国内では他に例がないと思われます。さらに、景観に配慮した環境保全型建築の方向性を示す優れた建築物として全国的な評価を受け、第13回村野藤吾賞をはじめ数々の賞を受けています。

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