【緑の庭】牧野植物園便り

2009.8.31      

Makino Botanical Garden News


動かない植物が動く虫を捕まえる

ほかの植物との競争を避け厳しい場所に生える

奇妙な食虫植物の世界

夏井 操

 食虫植物という言葉を聞いたことはありますか? 栄養が少なく、ほかの植物が茂ることができないような、崖っぷちなど厳しい場所に生え、競争を避けるかわりに自分で栄養分を調達するという、実にかしこい植物たちです。


ハエトリグサ

■虫を捕まえる工夫
 とはいえ動かない植物が動く虫を捕まえるのですから、何とも奇妙な話。食虫植物にもいろいろありますが、それぞれが効果的に虫を捕まえる工夫をしています。
 牧野植物園では食虫植物の虫を捕まえる部分について、ことし顕微鏡写真を撮影しました。


ウツボカズラの断面

 まずはウツボカズラの袋の口部分の写真です。
 つるつるのすべり台のような口は断面がT字になっていて、一度落ちた虫は忍び返しのようになっていて、そこに這い上がった虫は、真っ逆さまに落ちてしまいます。
 ウツボカズラの生えるジャングルでは雨や霧が多く、ますます滑りやすくなります。


ウツボカズラ

■いろいろな器官が
 モウセンゴケの葉を拡大してみましょう。モウセンゴケは、虫を捕まえるための有柄腺▼ゆうへいせん▼(長く突き出たもの)と消化するための無柄腺▼むへいせん▼(葉に張りついたような赤いボタンのようなもの)とで、分業して虫を食べますが、それらの部分の様子がよく分かるでしょう。


モウセンゴケの葉の表面

 長い歳月をかけて独特の進化を遂げた食虫植物たち。ちょっと怖い気もしますが、でもおもしろい食虫植物の世界を、ぜひのぞいてみてください。


モウセンゴケ


サラセニア


フクロユキノシタ

▼インフォメーション

■植物画巡回展『日本の帰化植物図譜』出版記念
 帰化植物画展
 2009年10月3日(土)〜2010年1月11日(月・祝)開催

■基調講演「海を渡って来た植物−帰化植物の正体をさぐる」
 11月21日(土)13:30〜15:00開催
 無料(入園料別途必要)・申込不要(直接お越しください)
 聴講者に「ボタニカルアート(植物図)」をプレゼント!


高知県立牧野植物園

 牧野植物園は、高知県が生んだ植物学者・牧野富太郎博士の業績を顕彰する施設として、昭和33年(1958)に、高知市五台山に開園した施設です。平成11年11月には「牧野富太郎記念館」が開館しています。
 園内には博士を生む土壌となった高知県の植物を中心に、博士ゆかりの植物など約3,000種が四季を彩られています。
 また、植物園機能とあわせて、貴重な資料を紹介する展示、研究、生涯学習の場を提供する施設などを収めた博物館が同居する総合施設は、国内では他に例がないと思われます。さらに、景観に配慮した環境保全型建築の方向性を示す優れた建築物として全国的な評価を受け、第13回村野藤吾賞をはじめ数々の賞を受けています。

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