【緑の庭】牧野植物園便り

2009.6.1      

Makino Botanical Garden News

アジサイに愛する妻の名前をつけたシーボルト

40種類のアジサイが今、楽しめます

牧野博士ゆかりの「ヒメアジサイ」も咲いています

夏井 操



園内を彩るヤマアジサイ

牧野植物園のアジサイコレクション
 牧野富太郎博士がその名前をつけたヒメアジサイをはじめ、シチダンカやベニガクなど古くから知られる品種が色づき、高知の山にも自生するヤマアジサイなど、総勢約40種類のアジサイが牧野植物園では、今お楽しみいただけます。

   
色鮮やかなヤマアジサイ

 花の色はよく知られているとおり、土の酸性度によって青からピンクまで様々ですが、形も装飾花(花弁のようながく片からなる)が八重咲きだったり、先がとがったり、はたまた装飾花だらけになって手まり型になったりと、変化に富んでいます。どれにもたいへん趣があります。6月中旬ごろまでが見ごろで、これからの梅雨時期は、しっとりと雨に濡れ、美しさを増した様々なアジサイがご覧いただけます。


しっとりと雨に濡れるヤマアジサイ


生態園のヤマアジサイ

シーボルトが愛したアジサイ
 ドイツの医師であり博物学者でもあったフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(1796-1866)は、「フロラ・ヤポニカ(日本植物誌)」の中(第52図版)で、手まり型のアジサイを、日本での妻であった滝さんの名前をつけて、「ハイドランジア・オタクサ」と紹介しました。 この学名の中の「オタクサ」が「お滝さん」を意味しています。 西洋では見られなかったアジサイの魅力を、 愛する妻に重ねたのでしょう。


シチダンカ

 この「フロラ・ヤポニカ」の第52図版はヨーロッパの植物画家ミンシンガー(Minsinger、 1800-1869)によって描かれたものです。近年、この図と同じアジサイをフランスのコレクターが育てていると判り、研究者が調べましたが、現在栽培されているどの品種のアジサイとも異なることが判明しました。 これまで普通に考えられてきたように、現在日本で見られる手まり型のアジサイもハイドランジア・オタクサそのものではないようです。

 
ベニガク


▼高知県立牧野植物園 催し情報
http://www.makino.or.jp/event_news/frame/f_eventnews.html


高知県立牧野植物園

 牧野植物園は、高知県が生んだ植物学者・牧野富太郎博士の業績を顕彰する施設として、昭和33年(1958)に、高知市五台山に開園した施設です。平成11年11月には「牧野富太郎記念館」が開館しています。
 園内には博士を生む土壌となった高知県の植物を中心に、博士ゆかりの植物など約3,000種が四季を彩られています。
 また、植物園機能とあわせて、貴重な資料を紹介する展示、研究、生涯学習の場を提供する施設などを収めた博物館が同居する総合施設は、国内では他に例がないと思われます。さらに、景観に配慮した環境保全型建築の方向性を示す優れた建築物として全国的な評価を受け、第13回村野藤吾賞をはじめ数々の賞を受けています。

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