【緑の庭】牧野植物園便り
2009.01.13      
枯れ残った茎の根が
水を吸い上て花を


氷点下の冬にだけ咲く神秘

本物の花は秋に、もちろん開きます

稲垣 典年


 シモバシラは、山の木陰に生えるシソ科の多年草で、関東以西、四国、九州に分布します。花は、9〜10月に茎の部分に間隔を開けて花をつけるもので、片側だけに花をつけます。この植物の最大の特徴は名前の通り、冬に枯れ残った茎の根本に霜柱ができることです。

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昨年のシモバシラのようす

 このメカニズムは、根が吸い上げた水が毛細管現象によって茎の導管内を上がり、それが茎の割れ目からしみ出し、外気が氷点下でそのしみ出した水が凍る時に発生します。氷の結晶は、茎の割れ目の形によって不思議な形となるのです。また、この水にさまざまな物質が含まれていることもその原因のひとつ考えられています。(他のシソ科やキク科の草本にもできることがあります)。

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秋に咲いた本物のシモバシラの花


◆茎の割れ目の形によって花が変わる

 牧野植物園では、正門を入ってすぐの土佐の植物生態園に植栽しています。その不思議な氷の花は、氷点下が続いた日に見られ、早朝から午前11時頃までその神秘的な姿を楽しむことができます。
 さて、今年はシモバシラの霜柱ができるのでしょうか。

◆見ごろを、いま迎えています

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タチカンツバキ

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スイセン

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キバナアマ

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マホニア




◆企画展のご案内
植物からの贈りものシリーズ第4回
「酒と植物−草木からできる魅惑の飲みもの」

開催/12月6日(土)〜2009年5月10日(日)
   9:00〜17:00
主催/財団法人高知県牧野記念財団
場所/高知県立牧野植物園
   牧野富太郎記念館 展示館 企画展示室・植物画ギャラリー
料金/入園料(一般500円、高校生以下無料) 

 人間の生活に役立つ有用植物を親しみやすく紹介する「植物からの贈りものシリーズ」第4弾は、酒を取り上げます。酒は、さまざまな植物から人を酔わせる魅惑の飲みものとしてつくられ、私たちに最も長く親しまれてきた食品のひとつです。本展では、酒の原料となっている植物を幅広く紹介し、植物が持つ不思議な力に迫ります。

 
高知県立牧野植物園

 牧野植物園は、高知県が生んだ植物学者・牧野富太郎博士の業績を顕彰する施設として、昭和33年(1958)に、高知市五台山に開園した施設です。平成11年11月には「牧野富太郎記念館」が開館しています。
 園内には博士を生む土壌となった高知県の植物を中心に、博士ゆかりの植物など約3,000種が四季を彩られています。
 また、植物園機能とあわせて、貴重な資料を紹介する展示、研究、生涯学習の場を提供する施設などを収めた博物館が同居する総合施設は、国内では他に例がないと思われます。さらに、景観に配慮した環境保全型建築の方向性を示す優れた建築物として全国的な評価を受け、第13回村野藤吾賞をはじめ数々の賞を受けています。

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【牧野植物園便り 掲載記事一覧 】
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■枯れ残った茎の根が水を吸い上げて花を
 氷点下の冬にだけ咲く神秘
 本物の花は秋に、もちろん開きます
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 清楚さが際立ち、愛好者も多い
 高知県が生んだ花卉園芸文化「土佐寒蘭」
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 今が盛りの秋を彩る草花たち
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 収集した標本は約40万枚
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