【食の庭】食道楽
2009. 3. 9

春野菜に秘められた
パワーで疲れ知らず


春の生命力をとことん体験しよう
味わいも多彩です!

金関 亜紀

 春が近づいてくると、天候は一喜一憂。
 晴れたと思うとぐずったりする。その雨を菜種梅雨といわれていることはご存じですね。


春野菜の天ぷら

 この菜種梅雨。ちょうど菜の花が咲きみだれるころに降り続ける雨ということから呼ばれるようになったといわれています。そんな菜の花の黄色い花を見ていると心が和むと同時に、美味しそう! なんて思われた方いらっしゃいませんか。見てもよし、食べてよしというまさに一石二鳥の菜の花。今回は菜の花をふくめた春野菜についていくつかご紹介いたしましょう。
◆「菜の花」で目覚めすっきり!

 春野菜というと蕗、ツクシ、菜の花、わらび、芽キャベツ、たけのこ、せりなど、きりがないほどあげられます。
 寒い冬を耐え、暖かい春を待っていた植物はこの時期に一斉に芽吹き、花を咲かせるのです。私達はそんな植物のご相伴にあずかる……。と、いうわけなのです。 さて、まずは「菜の花」。菜の花はアブラナ科栄養価の高い緑黄色野菜です。βカロチンやビタミンB1・B2、ビタミンC、鉄、カルシウム、カリウム、食物繊維などの豊富な栄養素をバランスよく含んでいます。


菜の花

 カロチンやビタミンCは免疫力を高め、がん予防や風邪の予防に効果があるといわれ、さらにお肌を美しくする効果もあります。また体内の塩分バランスを保つカリウムも多く、高血圧の予防や治療中の方の食事に効果があります。
 さらに鉄分も豊富なので貧血気味の人は毎日でも食べておきたい食材です。食べ続けて入ると寝坊癖もなくなるかもしれません。
 この「菜の花」の調理のポイントはずばり!茹ですぎたり、水にさらしすぎたりしないこと。豊富に含まれるビタミンCは水溶性なので、溶け出してしまいます。油で手早く炒めるなど、油脂と一緒に食べれば、カロチンの吸収率を高めることができます。和え物、煮びたし、吸い物、炒め物など様々な調理法で楽しめます。


菜の花と水ダコのキミズ和え

◆今からブームがやってくる?!
地域特産野菜「のらぼう菜」


 さて、菜の花と同じアブラナ科に「のらぼう菜」という野菜があるのをご存じでしょうか。見た目はホウレンソウや菜の花に似ています。
 埼玉県や川崎市多摩区菅地区等で栽培されており、川崎の農産物ブランド「かわさきそだち」にも認定されています。



のらぼう菜

 この「のらぼう菜」、明和4年、幕府の関東郡代・伊奈備前守忠宥により、江戸近郊の天領の村々に配付された闍婆菜(ジャバナ)の種が、いつのまにか「のらぼう」と名を変え埼玉県飯能市や東京都青梅市を中心とした東京西郊の山麓地帯に伝わった野菜。寒くても丈夫に成長し、春彼岸頃から出るトウ立ちを折りとって収穫する。柔らかい花茎にはほのかな甘味があり、他の菜花類のような苦味やクセがないのでみそ汁の実やごま和え、おひたし、油で炒めるなど多種多様な調理方法があります。こののらぼう菜。まだまだ認知度が低いので、地元の人は毎年、あの手この手で「のらぼう菜」を全国に広めようとイベントを開催です。みなさんもぜひ、この機会に「のらぼう菜」を覚えてください。


のらぼう菜のお浸し

◆春そのものをいただきます

 春野菜といえば一番に思い浮かぶのは「ふき」。ふき煮はまさに日本の食という感じですね。「ふき」は食物繊維、カルシウム、カリウムが豊富で、食物繊維が多いので便秘の解消やお肌の改善に効果ありと昔からいわれています。またカロリー0なので、ダイエット食にも適しているという情報も付け加えましょう。
「ふき」はなんといってもあの色。歯ざわりもよく香り豊かで淡い緑色が春らしい気持ちにしてくれます。その色を生かした煮物、和え物、炒め物、柔らかい葉は佃煮や菜飯と捨てるところのない食材です。そうそう、「ふきのとう」はそのまんま天ぷらにすると美味しいですね。まさに春そのものを食べるという大満足をもたらしてくれる野菜です。


ふきのとう

◆せっかくなら自分で採取!

 まだまだあげられる春野菜情報ですが、この野菜。自然のなかに群生している種類もあるので、ぽかぽか天気に山や森に出かけて見つけてみるのも面白いですよ。
 ただし、無断で採取はダメです。自然に生えているようでも、実は他人様の家のモノという場合が多く、また形のよく似た毒草の場合もあります。
 採取する場合は、許可のある場所でマナーを守りましょう。もちろん、食べられるだけの必要量だけ採取することです。取りすぎてしまうと、来年、再来年、そこには生えてこない可能性が高いのです。全てはバランス。旬のものを美味しくいただくためにもいただくために、きちんとマナー&バランスは守りましょう。


春野菜



金関 亜紀(かねせき・あき)
1974年、香川県生まれ。
 九州や山口で考古学に携わり、民俗学などに関心をもつ。東京の編集プロダクションや出版社勤務を経て、フリーランスに。現在、東京−香川を往復する生活を続ける。一年に地方や離島に出かける回数は30回以上。土地の食材や酒、祭りなどのフィールドワークを行っている。共著に「日本全国うまい焼酎虎の巻」(エイ文庫)がある、無類の酒好き。雑誌やネットなどでお酒のコラムをはじめ、離島の島ネタなどを執筆中。


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