【食の庭】食道楽
2009. 2. 9

糀をいかした若菜のお漬物

アミノ酸分解酵素を含んだ糀
「華きゃべつ」はワインにも合います


◆縁の下の力持ち!? 糀の魅力

 漬物に問わず、醤油、酒、味噌などに必要不可欠なもの……といえば、糀です。糀とはとは、微生物の黴(カビ)の一種である麹黴の種(胞子)を、米や麦や大豆などの穀物の表面に散布し繁殖させたもの。
 糀にはアミノ酸を分解する酵素が含まれており、味噌や醤油、日本酒や甘酒等を作る際に必要な酵素を得るための食品原料でもあります。この糀に野菜を漬けこむと独特の甘さと旨みが創りだされます。さて、今回はその糀の旨みを活かした銀座若菜の漬物をひとつ、ご紹介いたしましょう。

華きゃべつ
銀座若菜の漬物「華きゃべつ」

◆本糀の床で漬け込んで

 最高級の鮭を利尻の昆布でしめ、旬のきゃべつ、冬の王者千枚漬を丁寧に重ね、本糀の床で漬け込んだ「華きゃべつ」。鮭の紅、千枚漬けの白、キャベツの黄緑と彩りも鮮やかですが、一番の特徴は味のまろやかな甘さにあります。
 糀は米を水につけ、蒸篭で蒸し、体温まで冷ましたところに麹菌を植えつけ、室で熟成させるといった、昔ながらの製法で作られたものを使います。作業はすべて手作業で根気さと丁寧さが必要。気温や湿度などの調節を常に気にかけておかなくては、糀はすぐに死んでしまいます。そのため「床もみ」という作業が必要で、毛布や白い布でくるんだ糀を寝かせたら、手でほぐしつつ、温度を確認しなくてはいけません。温度確認は糀そのものに手を突っ込んで、自らの肌で糀の体温を感じなければ、いい糀は育たないといわれています。
 そんな糀床で漬けこんだ「華きゃべつ」には元気に育った良質な糀がたくさんついており、この糀のもつアミノ酸を分解する酵素が体内にはいると、消化吸収を助け、身体機能の免疫力を高めてくれます。何より、女性にうれしい美白効果も高く、健康や美に関して最高の一品といえるでしょう。糀の甘さがキャベツや千枚漬け、鮭の旨みをさらにひきだしています。
 「樽の並ぶ蔵の中はひんやりとした空間。そんな蔵の中で糀が千枚漬けやきゃべつをおいしくしてくれていると思うと、ついつい樽に「おいしく育って」っと、声をかけたくなりますね」と、作り手の愛情はたっぷりと思ったら、白いご飯が食べたくなるのは誰も彼もではないでしょうか。

◆和洋折衷のうまさ

 漬物というとつい、お茶や日本酒といった日本のものとの相性がいいと考えてしまいますが、実はこの「華きゃべつ」はワインとの相性も抜群。ワインでもフランスやイタリア、オーストラリアなどありますが、一番のおススメはチリワイン。特に有機栽培のブドウを使ったコノスル『オーガニック』との相性は最高で、柔らかく熟した味わいで果実味がなめらかなワインは、麹によって旨みが高められた「華きゃべつ」の甘さをさらにひきたててくれます。
 まさに和洋折衷のうまさの融和です。もちろん、他にも相性のいいものは多いはず。自分好みの嗜好品として、試してみてはいかがでしょう。

(金関 亜紀)



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