【食の庭】食道楽
2007.03.26
VOL.2 「海のきしめん」、とも呼ばれています 正体は穴子か、うつぼの稚魚か 土佐の名物に名古屋で遭遇しました
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  「 のれそれ 」 というのがある。れっきとした食べ物で、酒の肴にはもってこいだ。三杯酢で喉に流し込むと、なんともいえず、美味だ。
   
 「 まあ。たべてみゃあ 」。
 土佐の名物と聞いていたのだが、これを名古屋で薦められた。この地では 「 海のきしめん 」 と呼ぶそうだ。
  白っぽくて、胴体が透けて見えるような感じがする。平ぺったくて、細長い。なるほどきしめんに似ている。
 名古屋に二年ほど住んでいたことがある。そのころ家の近所に風呂屋があり、電気風呂なんてのが設備されていた。入る時に足を湯に入れると、指先がビリ、ビリとくる。でも、しばらくして慣れてくると、懲っているところがピク、ピクしてほぐれてきたような気がする。この風呂屋にプラスチックの風呂桶とタオルをもって出かけた。その電気風呂でしこたま身体をほぐし、あっためておいて、風呂屋の隣にある居酒屋で、ビールをぐっとやる。それが最高の極楽だ。その居酒屋 「 宮田屋 」 で、 「 まあ。食べてみゃあ 」 といわれて出されたのが、この 「 のれそれ 」。いや 「 海のきしめん 」 だ。
 
 名古屋の人は、河川が豊かなので川魚を好んで食べる。でも、海の幸も新鮮で豊かなのだ。この居酒屋にも、刺身など海の幸がたくさん揃っていた。そして安かった。
  酒を飲み、「 海のきしめん 」 をつまみながら、客も店主もみんなでテレビ中継を見る。もちろん、中日ドラゴンズ戦だ。ここで名古屋の野球中継の見方がある。決して、中日以外の球団のプレーを褒めてはいけない。「 こら!おみゃあ 」 と、喧嘩沙汰に巻き込まれてしまう恐れがある。名古屋はがちがちの中日ファンばかりなのだ。
 
 とにもかくにも、「 海のきしめん 」 とビールはよく合います。この名物はいったいどういう魚なのか。うつぼの稚魚とか、穴子の子供ではないか、などいろんな説があるが、ほんとうの正体は分らない。ただ土佐の高知のものとばかり思っていた 「 のれそれ 」 に名古屋でも会えたことは最高でした。
 
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