鈴木千惠子の「収納の知恵袋」
 鈴木千惠子の「収納の知恵袋」


 収納の知恵袋VOL2


  「写真の収納」


■ お気に入りの写真を厳選し、
  アルバムをセルフプロデュースしよう


 2年前、実家が道路の拡張工事で立ち退きになり、家中のものを処分した。父はその前年に亡くなり、母は入院中で、姉妹三人で半年かかってやっと片づけた。たいていのものは思いっきりよく処分できたのだが、捨てるに捨てられなかったものに写真がある。
 父母が結婚する前から新婚時代のものは、写真館で撮られたものがほとんどで数も限られ1冊のアルバムにおさまっている。ところが、私たち娘の成長とともに写真の数は増え、孫が生まれさらに増え、整理されず箱に入れられただけの写真が出てくる出てくる。引っ越しが終わったら整理することに決めて、とりあえずはすべて段ボール箱に収めた。

     祖母の和タンスの上部分を、写真の収納場所に。段ボールいっぱいあったが整理したら全部収納できた。


■ 写真は捨てられない

 さて、引っ越しも終わり、今日こそ写真を整理しようと段ボール箱をあけたものの何から手をつけてよいものやら。持ち主である父や母がいないところで写真を選別するのは難しい。
 第一に、日付のない写真は撮影された時期がわからないので、時系列に分類できない。
 第二に、父や母ならわかるのだろうが、私たちには写っている人が誰だかわからない写真がある。
 第三に、整理しても誰も住んでいない実家にあるのでは誰も見ない。子どもの代までは誰が引き継いだとしても、そのあとはどうなるのか。
 とはいえ、写真には私たち家族の思い出がいっぱい詰まっている。そう簡単には捨てられない。せめて年に何回かこの家に家族や親戚が集まったとき、思い出話ができるよう整理しておこう。

     和タンスの下段。アルバムを収納。右側にあるのが父と母の子ども時代から新婚時代までのアルバム。他は子どもが小さいときから結婚するまでのアルバム


■ 厳選した写真だけを残そう

 自分の写真を見て楽しいのは本人と家族、恋人ぐらいとか。だとしたら思いっきりセルフプロデュースして写真を整理するのはいかが? 秘訣は自分が気に入った写真だけを残すこと。ある作家さんが著者紹介の写真は毎回本人とは別人に見える写真を選んだという話もある。写真の人物の物語を考えながら写真を選ぶのは新しい発見もあり、楽しいものである。

 今回両親の写真を整理するにあたって、まずは日付やシチュエーション、写された風景を頼りに写真をすべて分類し、サービス判(サイズ)の写真ファイルに収納した。誰だかわからない人が写っている写真は別にして透明のビニールパックにひとまず入れて置く。
 つぎに父だけが写っている写真がたくさんあったので、父専用のアルバムを作成することにした。写真を一枚一枚じっくり見ながら、どんなテーマにしようかどんな話にしようかとあれこれ考えながら残す写真を選んだ。
 テーマは「男の哀愁」では恥ずかしすぎるかしら。

     父だけが写っている写真をまとめた。ピンぼけや劣化したものもあるが、どの写真も捨てる決断がつかず困っている。自分の写真なら簡単に捨てられるのに……。

※ボツにした写真は、子どもや動物など、見せたい部分だけを切り取って
 コラージュにする方法もある。処分するのはそれからでもいいのでは。

■ 収納の達人にも、写真整理の秘訣を聞きてみました

 「収納アラカルト」という人気サイトの運営をしていた横山透氏に写真の整理方法を聞いてみた。

 @自分の写真を整理する場合はプリントしたら、お店がくれるサービス判(サイズ)の写真ファイルに撮影日、撮影場所などを記入して整理しておくと後でも整理しやすい。複数册の場合は通し番号を入れる。

   
<写真提供 横山透氏>

サービスサイズに焼いたものを、写真店でサービスにくれたアルバムに入れただけのものです。
撮影日ごとのファイルです。未整理ながら、ともかく保存用に。

A写真を厳選し、お気に入りのアルバムに入れる。
 同じカットの写真は一番気に入っているものを数枚、できれば1枚選び、それ以外は捨てる。ピンぼけも捨てよう。
アルバムは同じメーカーの定番のものを使用すると見た目にも統一感がでる。背表紙に通し番号、写真の撮影期間を記入する。

   
<写真提供 横山透氏>

同じファイルに入れて統一感のある収納をした例です。サービスサイズのアルバムです。写真店でもらうアルバムは使っていません。


<おすすめ>
 写真は大伸ししてみると、その良さがよくわかる。お気に入りの写真は伸ばしてアルバムにしまうのを習慣にすると、写真がよりセンスアップするかも。

   
<写真提供 横山透氏>

「@の中から気に入ったものだけを選んで、2Lサイズに伸ばしたものです。こちらが永久保存版です。第三者に見せるときは、こっちを見せます」



■ デジカメ写真の整理はWEBを使ってみよう

 デジカメになって写真数はフィイルム時代とは比べることができないほど増えた。しかし、カメラ屋さんに依頼するにせよ、自分でプリントするにしろ、欲しい写真だけプリントできるので、収納に手間はかからなくなった。さらに効率的にデジカメ写真を整理するには、写真データ整理・編集用ソフトやWEBアルバムの利用がおすすめである。一度試してみてはいかがだろう。

 写真は大伸ししてみると、その良さがよくわかる。お気に入りの写真は伸ばしてアルバムにしまうのを習慣にすると、写真がよりセンスアップするかも。


◇ ピカソ グーグルの無料編集ソフト
  http://picasa.google.co.jp/

◇ ニコンマイピクチャータウン 保存用料2GBまで無料。
 見せたい人、あげたい人だけにメールで知らせて写真を共有できる。
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 2009年02月15日(日)

鈴木 千惠子(すずき・ちえこ)
西武百貨店池袋店勤務を経て、フリーのライターに。主婦と生活社発行の「収納カタログ」「おしゃれな部屋は収納でつくる」など収納ムックを中心にライターとして参加。収納の他で得意分野は社員教育のマニアル作成。そら飛ぶ庭では『大人の収納』について提案できたらいいなと考えている。


 収納の知恵袋VOL1


  「本の収納」

 リビング、キッチン、トイレなど

 「読みたい場所」「よく読む場所」に収納を
 その場合、自然光など照明に注意を


 

さまざまな調査でも捨てられないものベスト5に必ず登場する「本」。
これはもう収納の基本中の基本「捨てる」という行為とは相容れないものではないかなど思い悩んでいたら、奇跡のように、ある「本」と出会った。

■ 本には捨てられない理由があったのだ

私自身が捨てられないものナンバーワンは「本」である。
引越しのたびに、何度も整理し捨ててきたのだが気がつくとすぐ本箱から溢れてしまう。
本箱どころか家中のあちこち小山ができる。
本は捨てるどころか、整理整頓するのさえ諦めようと思っていた矢先、この本に出会った。
それが今回ご紹介するアランパワーズ著今井由美子翻訳「自宅の書庫―本ある暮らし。本をインテリアとして生かす」である。2000年発行だが、私がであったのはつい最近。昨年暮れ近所の図書館で見つけた。収納ライターとしては恥ずかしい限りである。
アランパワーズはこの本で、本を歴史的に紐解いて、どこにどんなかたちで収納されて来たか? さらには「本を所有する」とはどういうことなのか? を丁寧に解説してくれる。
私はこの本を読んで、目からうろこがポロリ。本を捨てることは諦めた。
本は文化的遺物である。カンタンに捨てたりなんかできなくて当然なのだ。本は所有するものであって、捨てるものではないのだとこの本に教えられた。

■ 本は「捨てるもの」ではない。
  さまざまな生活シーンに生かすことが「本の収納」。


ホームライブラリーやホームオフィスをはじめ、リビング、キッチン、廊下、寝室、トイレ、玄関など、見つけようとすれば本の収納場所はいくらでもあるとアランパワーズは教えてくれる。
アランパワーズの論理を、いわゆる収納の基本「使用頻度の高い場所にしまう」に従って考えてみれば、本は「読みたい場所」「よく読む場所」を見つけて収納するべきだと分かる。
例えば、リビングには今読みかけの本のコーナーを作る。キッチンには料理関係の本。玄関には季節モチベーションに合わせて本をディスプレイする。トイレは雑誌を中心に収納し、回転率を高くする(不必要になったら廃棄も考える)。
そいて、家の余裕があるなら、本だけを収納する部屋(ホームライブラリー)を作り家族のコミュニケーションの場に。
そして本を収納したスペースには、ちょっと腰掛けて読書できるイスを置くことがポイントである。収納した場所で読書が楽しめてこそ「本の収納」が活かされるのだから。

■ 本の収納でこれだけは注意して

収納場所は選ばないといっても注意すべきことはいくつかある。
本は湿気には弱いので、風通しのよい場所を選びたい。
また、読みたい場所に分散するのだから、「読める環境」つまり照明が大事である。できるだけ自然光で読めるようにしたいが、それが望めない場合も、手元を照らす明るすぎない照明を用意したい。
寝室に本を収納する場合は、大きな本棚は避ける。地震のとき、本は飛び出しやすいので要注意。
本の収納は、図書館のようなオープン棚が家庭でも主流だが、安全対策として、できれば扉つきのものにしたい。

あらゆる生活シーンで本ある暮らしを楽しむために、本の収納を見直してみてはいかがだろうか?
本は「捨てる」ではなく、本の収納でいかに暮らしを楽しめるようにするか、それが本の収納の課題である。

☆それでも本が捨てたい方はこんな方法もあります。
たもかく「本と森の交換」
1994 年1月から「あなたの本と只見の森を交換します」という事業を開始。
本やCDを定価の10%で評価、1750円につき只見の森1坪 と交換。交換券にしておく方法もあり。交換券はたもかぶ本の店で本の購入代金に、提携旅館の宿泊料金に充てることも可。
http://www.tamokaku.com/2005/honmori/system/first.html

 2009年01月09日(金)

鈴木 千惠子(すずき・ちえこ)
西武百貨店池袋店勤務を経て、フリーのライターに。主婦と生活社発行の「収納カタログ」「おしゃれな部屋は収納でつくる」など収納ムックを中心にライターとして参加。収納の他で得意分野は社員教育のマニアル作成。そら飛ぶ庭では『大人の収納』について提案できたらいいなと考えている。


 


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