2010.2.1
創作の現場(8)
Contemporary Art News

【i P h o n e ギャラリー散歩】
土偶と地球外生命体の謎
DOGU and ALIEN
〈国宝土偶展〉のSF的鑑賞法



ビデオエッセイ:高丘 卓

天動説か地動説かで、歴史は変わるか?

   このところ息つく暇もなく催される美術展のなかで、 国宝三点をふくむこの「土偶展」は、わたしには、きわめて印象深い展覧会であった。土偶展を観て思いをあらたにしたのは、土偶とは、日本列島における稲作文化以前の民の、神とその信仰を象徴する偶像ではなかったか、ということである。彼らは稲作が始まるのとほぼ同時に、『古事記』へとつながる神の記憶だけを弥生人に遺して、どこかへ消え去ってしまったのである。
   おなじ頃、オリエントやエジプトでも、謎の神(半身が人間で半身が動物)への信仰にもとづく壮大な文明が開花したが、こちらのほうは様々な変遷をとげながらも、その科学知識や文化は、ギリシアを介在し、現代のヨーロッパ文明に継承されたということになっている。
   人類学や考古学では、石器時代から抜け出した人類が、最初に築きあげた文明はシュメールに遡るとされている。19世紀初頭、バビロンの遺跡から人類最初の文字といわれる楔形文字(漢字の源の亀甲文字ともよく似ている)で書かれた粘土版が出土した。それが『ギルガメシュ叙事詩』であることを、イギリス人のジョージ・スミスが解読した。ギルガメシュは三分の二が神で、三分の一が人間の王であり、内容は『旧約聖書』の原型と思われる物語だったのである。これでキリスト一神教主義が崩壊する。以後、世界中で古代遺跡の発掘ブームが起こり、それらの起源や他の遺跡との関連についての研究がさかんになり、今日にいたる。
   これをパズルのように組み合わせ、土偶をめぐるSF的物語をつくってみた。なんというか、そんな気にさせるほど、興味深い展覧会であったのである。


右上はUFOと乗員にもみえる
シュメールの浮彫


  シュメールの楔形文字。
亀甲文字によく似ている


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【ご案内】

国宝 土偶展

 2009年12月15日(火)〜2010年2月21日(日)

《会場》
東京国立博物館 本館特別5室(上野公園)
*詳細は、03-5777-8600 まで






高丘 卓 (たかおか・たかし)
 現代アート評論家。ビデオ・エッセイスト。「ランティエ叢書」編集長(角川春樹事務所)などを経て、現在平凡社編集局で文芸書の編集を手がけている。ヘルメティズムの視点から、2003年に澁澤龍彦「ホラー・ドラコニア」(平凡社/全5巻)をまとめる。和光大学人文学部人間関係学科卒。

 
 
 


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